志進2015.10

安倍政権の暴走に歯止めをかける闘いを強化する

2015/10/30

第189通常国会閉会

9月19日未明に安全保障関連法案が可決・成立した。反対する多くの国民の声を無視した暴挙は決して許されるものではない。そして、この暴走に歯止めをかける闘いを強化しなければならない。

法案成立後、安倍首相は「戦争を未然に防ぐ法案であり、平和な日本を未来の子どもたちに引き渡せる法的基盤が整備された」と述べたが、むしろ、「戦争に加担することを可能とし、未来の子どもたちを不安にさせる法律を整備した」と言わざるを得ない。私たちは、一線を越えれば、未然に防げるどころか泥沼に陥ることを歴史から学んだはずだ。

中国政府は、この法案の成立に対し「国際社会の正義の声に耳を傾けるとともに、平和の歩みを堅持し、軍事分野では慎重に事を進め、地域の平和と安定の促進に資するよう厳粛に促す」との声明を出した。中国は領海を侵すような自らの行いを棚に上げて、このようなことを言うべきではない。また、中国脅威論により、この法制を是とする世論の後押しは回避すべきであり、互いの外交努力により、東アジアの安定のために腐心しなければならない。

政府は、集団的自衛権行使を可能とする法整備により、世界の平和維持に貢献することを「積極的平和主義」と呼んだが、この点も含め、言葉の意味を曲げた解釈が存在した。「法的安定性は関係ない」とか「戦争に行きたくないのは利己的だ」などの妄言のほか、議会運営や会見・答弁、討論番組を見て高圧的な組織だと感じた人は少なくないだろう。

しかし、デモに参加した若者をはじめとする多くの国民の声に対し、「受け皿」たり得る野党はあるのか。野党共闘と政策の一本化で立ち向かわない限り、闘いはより厳しくなると想定せざるを得ない。

安保法制も労働者保護ルールもこれからの闘いが重要

本国会では、9月11日に労働者派遣法改正案も成立した。数の論理に押し切られた格好だが、労働者保護の観点から39項目にわたる付帯決議が付けられたことは、組織内参議院議員「石橋みちひろ」の八面六臂の活躍があってこそだろう。今後は付帯決議に基づく労働組合のチェック機能も問われる。情報労連としても取り組みを提起していきたい。

一方、高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の対象拡大等が盛り込まれている労働基準法改正案については、通常国会での審議は見送られることとなったが、予断を許さない。2015年度版労働経済白書では、「日本は総体的に労働生産性が低い」ため、「多様で効率的な働き方も求められる」としている。「働き方」を問題視する声もあるが、「働かせ方」にも問題があるのではないだろうか。

今国会の終盤で成立した安保関連法制、改正労働者派遣法については、これで一区切りではなく、これからが重要である。国民・労働者の将来にかかわる課題として、強く意識しておきたいと思う。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
志進
特集
トピックス
常見陽平のはたらく道
ビストロパパレシピ
渋谷龍一のドラゴンノート
巻頭言
バックナンバー