志進2015.11

労働運動の底上げへ 自らの活動を点検する

2015/11/16

連合2016-2017運動方針

10月7日、連合第14回定期大会において、神津会長が新たに選出され、「すべての働く者のため、真正面から立ち向かう」との力強い意思が表明された。すでに、連合三役会と中央執行委員会では、2016春闘方針の基本構想が論議され、「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みの“より一層の強化”を図る観点から、賃上げ要求水準を「定期昇給分を除き、2%程度を基準とする」とし、「賃金水準の上げ幅のみならず絶対値にこだわる取り組みを進める」等の方向性を確認した。中央討論集会を経て、11月27日の連合中央委員会で春闘方針を決定される。

情報産業においては、海外での投資が目立つものの、国内においては通信設備やオペレーションコストの抑制が継続していることや、安倍首相の命により発足した「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」において、政府の介入による料金値下げの可能性があるなどのマイナス要素はあるが、基本的には連合方針をベースに情報労連としての対応を組み立てていくこととする。加えて、中小・地場、非正規労働者に対し、いかに実感できる賃上げに結びつけるかを重要視し、全国単組・県協と方針確立に向け、論議を重ねることとしたい。

連合評価委員会が突きつけたもの

連合の体制が変化する折に触れ、よく「連合評価委員会」最終報告(座長 中坊公平弁護士:故人)が持ち出される。2003年9月の連合に対する提言である。労働運動に携わっている者からすれば、反発したい意見も盛り込まれているだろうが、いまだ提言に対する労働運動のあり方が不十分だとの客観的意見が存在しているということの証左でもある。報告には「高い“志”、不公正や不条理なものへの対抗力」「労働の価値そのものを高める」「新たなる分配の基軸を」「グローバルな連帯と世界から見た労働運動の再点検」等の項目が連なっている。

「失われた10年」は、もはや「失われた20年」として語られている。戦後の特別な成長の約30年を「失われた“あの頃”」と見立て、それを取り戻すために世界一の借金を抱え、この国は歩んでいる。“あの頃”に作られた仕組みや考え方、社会システムは、今でも多く存在しており、変え難くなっているのが現状である。現状変更を伴う改革は困難だが、最終報告は、「“あの頃”をリセットして物事を考えていく」ことを求めているようにも映る。さらに、ソーシャルネットワークの発展、米中の摩擦、難民問題、TPPをはじめとする多角的貿易ルールの確立など、グローバルな課題は、当時以上に無視して考えるわけにはいかなくなっている。

この最終報告には「なぜだと自分に問いかけ、働く仲間と広く論議し、勉強しよう」とも。その狙いは、地道な活動を通じて、大きな運動のうねりへとつなげるためであるとしているが、まずは速やかに自らの点検から始めることとしたい。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
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