志進2015.12

情報労連総体として底上げ・底支えをめざす闘いに

2015/12/24

底上げ強調した連合の春闘方針

現段階で、情報労連の2016春季生活闘争方針(案)を策定中ではあるが、今後の各構成組織での論議や労使対応に向けて、方針(案)策定にあたっての考え方に触れておきたい。

既報のとおり連合方針における賃上げ要求水準は「2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度」である。この表現の前段には“「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から”と付言され、方針提案の際にも、「1995年以降、全体の賃上げ率と中小企業の賃上げ率は乖離した状態」「現在、300万人もの不本意非正規雇用が存在している」など、これまで以上に中小企業で働く仲間や非正規労働者の処遇改善を強調している。

情報労連としても、「2%程度」を意識し、要求の考え方を組み立てていく予定であるが、先の大会でも総括したとおり、中小・非正規における課題を解決すべく、2016春闘をいかに構築するかが問われる。2015春闘では、412交渉単位のうち約100の交渉単位で要求がなされていない。

連合は「春闘における大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動に挑戦する」としていることから、挑戦する手前の段階を立て直さなければならない。要求できなかった理由は定かではないが、対応する企業の経営状況に配慮したためか、過半数代表でないから遠慮したのか、私たちの指導が行きわたってないからなのか、いずれにしても、要求しないことによって、付加価値の分配のあり方について労使で話し合うきっかけすら失っているとしたら課題と言わざるを得ない。「会社を取り巻く課題は何か」「従業員のモチベーションは高まっているのか」など、さまざまな角度から建設的な労使間論議を重ね、労働条件の底上げにつなげていかなければならない。

成長するICT産業
人への投資を促す

一方、情報労連の基軸産業であるICT産業は、「平成27年度情報通信白書」にもあるとおり、クラウドサービスやモバイル向けの上位レイヤーサービス、グローバル分野に成長が見込まれ、回線等のインフラ系の成長率は鈍化すると見込まれている。これらの現状を見る限りにおいて、各社の業績や投資の考え方にも差が存在することは否めない。また、国際比較においても低廉化している携帯電話料金に関し、総務省がタスクフォースを立ち上げていることも懸念材料ではある。

しかしながら、通信事業者の売上高はNTTが民営化した1985年から2013年までに約4倍の22兆4870億円、ICT産業全体では、約2.4倍の約100兆円の市場規模に拡大し、日本の経済成長にも貢献している成長分野である。効率化により生み出されてきた付加価値を「人への投資」にも促し、より魅力ある産業とするため、情報労連総体として底上げ・底支えをめざす春闘を構築したい。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
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