志進2016.03

東日本大震災から5年
復興・再生と風化防止に情報労連の力を生かす

2016/03/17

南相馬市でのボランティア活動に参加

情報労連は、2015年度統一「復興支援ボランティア」を福島県南相馬市小高区において、昨年10~12月に計5回実施し、行動には延べ117人が参加した。多忙の中、参加していただいた組合員に感謝と御礼を申し上げたい。

私もわずか1日ではあったが、参加の機会をいただいた。花屋を営んでいたであろう店のガラス越しに、多くの枯れた花を見つけ、2011年3月11日から時間が止まったままの現状を感じた。

作業は、美容室を営んでいた老夫婦の商売道具や家財を捨てるというもの。懐かしいカセットデッキや子どもか孫が使っていた思い出になるようなものなども含まれ、少しためらいながら「トン袋」に詰めていった。作業終了後、聞きづらかったが、ご夫婦に「ここを引っ越すのか」と尋ねたところ、「ここで商売したくても、お客さんが戻ってこない」とおっしゃっていた。避難指示が解除され、戻る決断をしようとしても、将来への糧を持続的に得られる確証がない。また、震災後、新たな地域での生活をすでにはじめ、さまざまな事情により、そこから被災地に戻ることを断念する方も多いと聞く。被災地は、将来不安からくる人口減少という負の連鎖により、コミュニティーの再生に大きな不安を抱える。

震災発生から間もなく、「復興再生には被災地での雇用創出が不可欠」とされてきた。現在、有効求人倍率こそ改善しているが、求める職種に就けない雇用のミスマッチも顕在化している。また、操業を再開しても人が来ず、生産ラインを一部止めざるを得ない事態も存在している。

マグニチュード9.0の地震と津波により、1万8457人(今年1月8日時点)の死者・行方不明者と多くの被災者を出した未曽有の大災害から、5年。いまだ約19万人が避難者として生活を続けている。政府は、向こう5年を「復興創生期間」に位置づけており、課題の克服に知恵を絞って全力を傾注しなければならない。

現地の思いを踏まえ今後の支援を検討

この間、情報労連として、宮古市、仙台市における連合ボランティアへの参加、独自の取り組みとして大船渡市、南三陸町、南相馬市での活動を展開、各構成組織においてもボランティアや、物販による支援を展開してきたところである。次年度の取り組みに関しては、いまだ帰宅準備に向けた家屋の整理を含め、ボランティアニーズが残っていることから、風化防止の取り組みと今後の支援について、現地の思いを踏まえつつ検討していく。

前出のご夫婦は、生活を再建する過程で大変な心境にあっても、帰り際、ボランティアスタッフを「私たちだけでは片付けるためにどれだけ時間がかかったかわからない。皆さんありがとう」と涙を流して見送ってくださった。ここから先の復興創生にかかわる方々の労力のごく一部でも、情報労連の力でカバーできればと感じた次第である。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
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