志進2016.08-09

すべての取り組みを「仲間づくり」につなげ、情報労連運動の発展へ
2016年度運動方針の課題

2016/08/17
情報労連は7月29日に第55回定期全国大会を開催し、2016年度運動方針を決定した。今年度の運動を進めるにあたっての課題と展望について考え方を示す。

中期運動方針の折り返し地点

先月29日、第55回定期大会を迎え、1年前の大会で確認した2015~2016年度中期運動方針の折り返し地点に差し掛かった。

情報労連中央本部が、中期運動方針で掲げた重点項目は、(1)県協・GI加盟組合活動の充実に向けた指導・支援および連携の強化(2)「25万労連」の達成に向けた組織総がかり体制の確立と支援(3)政治啓発活動の積極的展開による第24回参議院議員選挙における組織内候補「石橋みちひろ」の必勝(4)産別政策および総合労働政策の立案・実現に向けた論議・検討の充実(5)産別としての社会的役割のさらなる発揮─の五つ。自己採点では、社会貢献活動、春闘の結論、参議院選挙の取り組みなどを踏まえ、45点というところか。

さて後半、残りの55点をどう積み上げるかは、テストのそれと同様に難しいかもしれないが、向こう1年間の取り組みにあたって、特に強調したい3点について申し上げる。

「仲間づくり」へ体制見直し産業政策の充実へ

一つは「仲間づくり」についてである。簡単ではない課題に、それぞれが懸命に取り組んでいるところであるが、他の産別組織と比較すれば、結果は芳しくない。客観的評価を真摯に受け止めて、これまでの取り組みを見つめ直さなくてはいけない。

まずは、加盟組織の現状である。情報労連加盟組織の3分の1が過半数割れとなっており、会社側に対し従業員代表たり得ていない。また、前年度に全加盟組合の組織診断を行ったが、まだ伸び代がある状況にある。加盟組合を存在感ある労働組合にし、働く者の立場を守る基盤を固めなければいけない。

今回、直加盟組合を廃止し、全加盟組合がいずれかの県協に属すこととした。その上で、中央本部は「支援強化組織」として約10組合を選定する。中央本部と県協が連携して、加盟組合と企業側が対等な関係になるよう底上げに尽力しなければならない。

もう一つは、組合員の生活や働く環境整備のために何を訴えていくかという点である。連合の政策に対応した「情報労連・基本スタンス」は欠くことはできないが、情報労連に集う組合の業界に特化した産業政策の具現化は不十分である。短期間で昇華できる政策でなくとも、掲げ続けられる独自の政策のもと情報労連のアイデンティティーを高めていく。

また、すべての取り組みを「仲間づくり」につなげるため、担当局との見直しと配置も実施する。GI対策局については組織対策局、組織局については活動推進局とする。その上で、組織対策局には、加盟組合対策(GI活動)と組織拡大を任務として位置づけることとした。組織対策局の取り組みを活動推進局と政策局の二つのボランチで支えるといったところであろうか。体制の見直しで、加盟組合、ブロック・県協の皆さんには、慣れるまで迷惑をかけるが、ご容赦願いたい。

参院選結果を検証し政治啓発活動を強化

二つは、政治についてである。2年前の大会で「石橋みちひろ」を組織内候補として、第24回参議院議員選挙に臨むことを決め、以降、各組織が懸命に取り組んだ結果、再選を果たすことができた。改めて、支えていただいた組合員・退職者・家族・友好支援組織などの多くの皆さんに感謝申し上げたい。

しかしながら、「石橋みちひろ」が獲得した17万1486票がいかにして積み上げられたものなのか、その点について自己評価を厳しくしておかなければならない。(1)獲得票が組合員の数に届いていないこと(2)各組織間の取り組みに濃淡があったこと(3)NTT労組退職者の会をはじめ、友好支援組織のバックアップがあったこと─など、検証・修正していく点は多々ある。

加えて、情報労連としての指導力や政治へのコミットメントのあり方、民進党自身の弱さなどが大きく絡む。選挙が近くなってから対応を急ぐのではなく、日頃からの加盟組合との連携を通じ、政治啓発活動を強化していかなければならない。

今回の選挙の結果を受けて、またしても自民党優位の政治に拍車がかかる。28兆円とも言われる経済対策が数年後にブーメランのように我々に跳ね返ってこないのか。また、労働基準法改正や憲法改正の動き、沖縄に対する強硬的措置等を注視していかなければいけない。現政権にどう対峙していくかは、9月に予定される民進党代表選で誰が代表になるかによっても大きな課題であり、連合としての判断を見極めていくこととしたい。

組織運営のあり方をプロジェクトで検討

三つは、プロジェクトの設置についてである。大会議案の財政課題の項で、“今後の組織運営のあり方等について検討を進めることとし、必要に応じてプロジェクトを立ち上げる”とした。2013年の第52回大会で確認した「労連運動強化検討委員会」でまとめた結論に基づき(以降、中央執行委員会として、修正したものはあるが)、組織運営を行っているが、財政トレンドを考えれば、改めて検討することについては避けて通れない。検討にあたって、多くの役員を兼務していただいているNTT労組とのかかわりを無視することはできないが、まずは「情報労連はどうあるべきなのか」を素直に考えてみることにしたい。

いくつか論点はあるが、(1)中央本部とブロックと県協の機能・ガバナンスのあり方(2)単組との役員兼務の範囲のあり方(3)前段でも申し上げた政治へのコミットメントのあり方(4)職員・オルグ配置のあり方(5)組織管理のあり方─が想定できる。

すべての論点がプロジェクトを正式に立ち上げて論議することになじむようなものではなく、また、プロジェクトで決まったことによって後の執行部が機動性を失ってもいけない。したがって、定例中央執行委員会、ブロック議長の皆さんとの懇談を経て、プロジェクト、もしくはカタチを変えた場を設置し、議論を促進させることとしたい。

課題や現状の組織運営については、いずれも先達が苦労して取り組んできた結果である。ここから手を加えて軌道に乗せていくことは一朝一夕にはいかないが、皆さんからの知恵や意見をいただきながら、情報労連運動の発展をめざすこととしたい。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
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