志進2016.12

魅力ある産業に向けて底支えの役割を発揮する

2016/12/15

ソフトワーカー調査を実施
客先常駐の課題など浮かぶ

11月22日大阪、28日東京で、「2016情報サービスフォーラム」を開催した。労働組合、企業、関連団体等、それぞれで約300人の方々に参加していただいたことに感謝を申し上げたい。

今回のテーマは「人工知能がもたらす近未来とIoT時代におけるサイバー攻撃の潮流とその対応」とし、二人の講師の方にお話を頂戴した。

厚生労働省の「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」懇談会がまとめた報告書には、「AIを中心としたこの大きな技術革新は、今後の経済構造を急速かつ大きく変える」と記されている。どれくらいの変化が訪れるかは、人によって考えはマチマチだが、約20年前にインターネットが商用化され、現在のネット社会の影響力を俯瞰すれば、20年後の未来にも懐疑的にならずに、準備体操はしておいた方がよさそうだ。

情報産業に従事する人びとは約200万人。多くの雇用労働者が従事しているが、労働組合が組織化されていない状況にある。先月、情報労連でとりまとめた「ソフトワーカーの労働実態調査」に応じていただいた人の約7割は未組織の労働者という状況である。

調査結果からは、(1)年2000時間前後の長時間労働や低位の年休取得率、全産業・総合職比マイナス7万円の賃金水準等の労働実態にある(2)正社員の性別構成が圧倒的に男性(男性82.3%、女性17.7%)に偏っている(3)メンタル不調による欠勤・休職者がいると回答している企業が約6割となっている(4)客先への社員の常駐により、コミュニケーションが円滑に行われていないことなどから、社員の会社への帰属意識が低くなり、退職に至るケースが見られる─などの傾向が現れている。

人材の活躍が不可欠
春闘などを通じて議論

「情報サービス業は、カタチのないものをつくる建設業だ」と、とある労組の人がおっしゃっていた。仕様があり、設計し、専門ごとで分業しシステムを構築していく。お客さまから見て、その成果物の使い勝手が、目に見えないモノであるからこそ注文は厳しい。

本フォーラムに参加していただいた経営者からは、「せめて納期を3カ月とは言わず半年にしてほしい」とも。短期での成果と品質を望むお客さまと、自社の売り上げとのはざまで、企業経営と社員の働き方への圧力が止まらない。これらの負の連鎖が調査結果にも見てとれる。

情報産業は、今後一層、社会的課題解決のためにも多くの人材の活躍が必要な分野であり、魅力的な産業にしていかなければならない。春季生活闘争を通じた取り組みのみならず、情報サービス部会等の論議を通じて、産業としての底支えとして、いかなる政策が必要なのか、多いに知恵を絞りたい。

柴田 謙司 情報労連中央本部書記長
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