渋谷龍一のドラゴンノート2022.08-09

【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜同調圧力

2022/08/17

あなたは普段から、あるいはコロナ禍になってからは、仕事や生活で特に感じているはずです。やることなすことに同調させられるような息苦しさを。何の力が働いているのでしょう。子どもたちも、同調圧力から逃れられるわけではなく、むしろお友だち、保育所、学校などで目に見えないそれに取り囲まれています。

激しい同調圧力の中に子どもがいることに無自覚なままではなりません。同調圧力に背を向ければ少数派になり、仲間はずれになりがちですから、しんどいのは事実です。だから圧力から逃げるのは、なかなかできないと思います。しかし、嫌われたくない一心の子どもにしてしまっては、結局生きづらさを背負わせてしまいます。

子どもには見えていない同調圧力を感じたら、できるだけ子どもとの会話で持ち出しましょう。大人のあなたはそれを感じながら生きていることを伝えましょう。同時に、あなたは同調圧力を利用して子どもを守ろうとしたり、あなたが期待する何かへ導こうとしていないか点検してみてください。

社会の中に生きていくためにはやっぱりみんなと同じようにしなきゃ、と身近な人が言うかもしれません。同調圧力に無自覚な人は確かにラクです。しかし、とがれと言っているわけではありません。子どもの苦しさが同調圧力によるものなら、その苦しさを拾って子どもと共有してほしいのです。

例えば、鴻上尚史さんの『「空気」を読んでも従わない』や和田秀樹さんの『みんなに好かれなくていい』など、子どもたちへ直接それを教えることがもう始まっています。あなたが子どもの時にそんな機会はなかったはずです。何か不都合なことが起きると自分のせいだと思い込んでいませんでしたか。まさか社会の方がズレているなんて思ってもみなかったでしょう。

子どもがふに落ちるのはまだまだ先かもしれませんが、その時のために、生きる力の種をたくさんまいておくことです。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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