ビストロパパレシピ2026.06

急がず、じっくり
作るのもいい
手羽先のパリパリ焼き

2026/06/15

とにかく時間がない。タイパを重視する。料理も、できるだけ手間暇かけたくない。時短、簡単が正義だ。

それはわかる。でも、BBQや焼肉で、目の前で肉が焼き上がっていくのをじっと眺めながら、もう口の中においしさが広がっていくのを感じた経験を持つ人は多いはずだ。

まさに、育てる料理だ。まだかな。もうそろそろかな。いい色になってきたぞ。チリチリ、パリパリ。仕上がりを告げる音がする。もう少し焼いてみよう。もう少しだけ。

肉は、焼くほどにうまさが増す。メイラード反応といって、加熱によってアミノ酸と糖が結び付き、褐色の焼き色と豊かな香りが生まれる。これが「おいしそう」の正体だ。特に鶏皮は、ギリギリまでカリカリに焼きたい。急いで強火にすると、皮が縮んでうまみが逃げてしまう。誰が見ても明らかにカリカリになるまで、焦らず待つ。それだけでいい。

味付けは、塩こしょうで十分。そこに軽くレモンを搾る。酸が塩味の輪郭をはっきりさせ、手品みたいに味がワンランク上がる瞬間がある。

いとおしく見つめながら、かぶりつく。手羽先が、ごちそうになった瞬間だ。貴重な一本の身を、きれいに食べ尽くす。

手間をかけて焼いた時間に比べて、なくなる速さは割に合わないのではないか。いやいや、そんなことは言うまい。このおいしさを味わう一瞬のために、じっとフライパンの前で焼き上がりを見つめるのだ。

この仕込みの時間は、家族にはなかなか伝わらない。でも、あっという間に手羽先がなくなる食卓こそが、一番いい時間の過ごし方だと思っている。

調理時間

20分

材料(3人分)

  • 手羽先(6本)
  • 塩(少々)
  • こしょう(少々)
  • 米粉(適量)
  • 米油(大さじ1〜)

作り方

  1. 手羽先に裏表、包丁で切れ目を入れ、塩、こしょうを裏表全体に降ってもむ。米粉を全体にまぶす。
  2. フライパンを火にかけ、熱くなったら油を入れる。
  3. 手羽先の皮目を下にして入れ中火でじっくり焼く。焼き色がついたら裏返し、両面カリカリになるまで、中火ぐらいでチリチリ焼いてでき上がり。
アト辛おとな味:七味
子手伝い:もむ
ビストロパパのワンポイント・アドバイス
育てる一品こそ、料理の醍醐味。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる) パパ料理研究家・ありがとう料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。料理初心者が、おうちでレストランメニューをオンラインでいっしょに作るビストロパパの料理塾を開講。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。毎週料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で公開中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。
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