【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜男の子はどうする
女の子をどう育てるかを考える時、女の子がどう生きるべきかについて、平易に書かれた良書を読めるようにするのが一つの目標だと言いました。
では男の子も同じような作戦でよいのか? つまり男の子向けの本を読ませるとか、先回りして大人が読んで準備するのはどうなのでしょう。
男の子向けの良書があります。ただし、男性が書いたものは、立場や認識の違いが投影される場合があります。男の子は嫌がるかもですが、本当は女性が書いた女の子向けの本を男の子に読ませるのがベターでしょう。そこに出てくる男性のことを察知させることができるし、好奇心をそそります。その後で男の子向けの本を読んでも遅くありません。
子ども向けに書かれた本が増えてきた背景には、現役世代の親による子育てには期待できないから、子どもに直接語りかけているものと考えていました。しかし、思い違いだと気付きました。
子育ての手助けをするために、まずは親に読ませたいのではないでしょうか。いよいよ子どもがその本を読む姿を見た親に、しっかり準備しておいてほしいのではないかと思います。
子どもに読めと言っても読まないかもしれません。でも、やきもきしなくてもよいと思います。読んだ場合に理解できるように育てておかなきゃ、と気付くことがポイントです。男の子が、激しい同調圧力の中で体験したささいなことが、ちょっと違うぞ、と気付けるだけのレシーバー(受信機)を内蔵しているかどうかが大切です。
そんな周到な準備や思惑のなかった現役世代の親が変わるのは、もう間に合わないかもしれません。手を打つのなら次の世代以降です。
こういう話は、仕事と家事でとても忙しいあなたにとって悠長な話に聞こえますし、そんなのすぐ取りかからなくても先の話でしょ、と思いがちです。しかし、もう遅いよー、と後の祭りにならないようにしてください。その時は意外に早くやってきます。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。