「創り育てる平和」
7月12日に開催した第63回定期全国大会において、「2024年度運動方針」を決定いただいた。代議員各位にお礼を申し上げる。
大会では、6組織から11件の意見が出された。どれも主要な取り組み課題であり、情報労連全体で受け止め、具体的行動に生かしていく。
中央本部は、運動方針に基づき、「年間大綱」を策定し、9月17日に予定する中央執行委員会で意思統一を図り、具体的活動を推進する。正念場の1年と位置付け、結果と成果を導き出し、「次へ」つなげていく。すべての加盟組合の積極的な参加・参画と行動をお願いする。
さて、全国大会において、戦後80年となる来年に向けて、1年を通じて「平和」を強く訴える運動を組織全体で進めていくことを申し上げた。今月号の特集テーマでも取り上げており、まさしく今、平和四行動に取り組んでいるところでもあり、改めて「平和への思い」を述べておきたい。
一人ひとりが考え行動を
大会の中でも、九州ブロック支部から、沖縄で起きた米兵による性的暴行事件、辺野古新基地建設の強行工事などの現状について、基地と隣り合わせゆえ、理不尽な負担・我慢を強いられていると発言をいただいた。しかも、日本政府は、沖縄県に事件報告すらしていないというおよそ民主国家として信じられない対応がなされている。戦後79年、日本へ復帰して52年たった今も、基地あるがゆえの不条理に虐げられている。こうした事件が起こり、沖縄の人の悲しみ、怒りに、戦後79年かけて、築いてきたものはなんだったのか、考えさせられる。
しかも、日本政府は南西諸島に米中の軍事的緊張の高まりなどから次々と自衛隊の基地を作り、ミサイルまで配備している。太平洋戦争末期、本土の捨て石とされた沖縄が、80年後の今日、アメリカの前線基地にされようとしている。そこに暮らす沖縄県民に目線はいっていない。
79年前の8月6日広島、8月9日長崎に原爆が落とされ何十万もの尊い命が一瞬で奪われ、その後も放射能により命を奪われた。戦後の歴史は、人類最悪の兵器とともに大国間の核競争が激化し、核の脅威にさらされ続けてきた。日本は、二度と核兵器を使わせてはならないとの強い願いから、戦後を出発したはずであり、唯一の戦争被爆国として、核廃絶の先導役を果たさなければならないのに、いまだ「核兵器禁止条約」を批准しておらず、核抑止論すら唱える日本政府の後ろ向きの姿勢は、許し難い。
世界に目を向ければ、ロシアのウクライナへの侵略戦争、ガザ地区へのイスラエルの無差別攻撃、ミャンマー国軍による弾圧など、世界各地で戦争や紛争が後を絶たず、多くの一般の尊い命が奪われている。こうした平和に逆行する蛮行に一人ひとりが関心を持ち、非難の声を上げていくことが大切である。
情報労連は、一人ひとりが考え行動しなければ平和は実現できない「創り育てる平和」の平和運動を通じて、こうした現状を共有し、「戦争の悲惨さ」「平和の尊さ」を訴えていく。
戦後80年を前に、現政権は、軍事拡大へとかじを切り、アメリカと一緒になって、戦争が可能となる今以上のスキームを作ろうとしている。今、こうした政治を変えなければならない。1年以内に二つの国政選挙がある。平和な世界を求める政治選択を組合員に求めていきたい。