ブロック支部加盟組合の活動紹介「楽しく仲間を増やしたい」
ネクスコ・トール東北労働組合の挑戦
ネクスコ・トール東北労働組合執行委員長
組合のイメージは「はちまき」
高速道路の料金収受業務を担うネクスコ・トール東北。そこで働く仲間でつくるネクスコ・トール東北労働組合は、2023年に情報労連に加盟した。今年7月、新たに委員長に就任した宍戸順子さんは、仲間づくりに精力的に取り組んでいる。
宍戸さんが同社に入社したのは2014年。現在は料金所の事務所で、自動精算機を監視する業務に携わっている。勤務は朝9時から翌朝9時までの24時間勤務。長時間にわたる仕事だからこそ、安心して働ける職場環境が切実な課題だ。
入社して間もない頃、職場で労働組合が結成された。当時の宍戸さんには、労働組合についての知識がほとんどなかったという。
「労働組合といえば、はちまきを巻いて『給料を上げろ』と訴えるようなイメージで、どのような活動をしているのかも全然わかってなかったです」と宍戸さんは振り返る。
労働組合への加入のきっかけも、身近な同僚からの声かけだった。
「知り合いがみんな『入ろう、入ろう』という流れで。新人だし、入らなきゃダメなんだろうくらいの感じでした」
仲間づくりに尽力
転機は、異動先の料金所で組合役員から会議に誘われたことだった。
「お弁当も出るし、見に来たらと言われて、軽い気持ちで参加しました」
そこから組合役員となり、2025年7月には副委員長に就任。会社との交渉や情報労連の大会、平和行動にも参加するようになった。そして今年7月、委員長を引き継いだ。
組合役員になってから、宍戸さんが特に力を入れているのが、組合員の拡大だ。労働組合は結成直後、組合員が100人を超えた。しかし、その後は退職や管理職への昇進などによって組合員数が減少。一時は解散の話すら出るほど、厳しい状況に直面した。
そうした中、前委員長を中心に、誰もが参加しやすい和気あいあいとした活動を心がけたことで、組合は活気を取り戻していった。宍戸さんも、その流れをさらに前へ進めようと、仲間づくりに力を注いでいる。
まずは自分の勤務する料金所で、日頃から顔を合わせる同僚に声をかけた。新人だけでなく、組合の存在を知らなかったベテランや、一度脱退した元組合員にも粘り強く働きかけ、これまでに約10人の加入・再加入につなげた。
「私が組合に入った時も、知っている人に誘われたことがきっかけでした。結局、人と人とのつながりなんですよね」と宍戸さんは語る。
勧誘では、制度や成果を説明するだけでなく、「みんなで職場を良くしていこう」「組合活動は面白いよ」と明るく伝えている。今後は、組合員がいない料金所にも足を運び、二次元コード付きのチラシやポケットティッシュなどを活用して、組合の存在を知らせていく考えだ。
会社に声を伝える
労働組合の意義
現在、組合が取り組む大きな課題の一つが、料金所施設の改善だ。24時間勤務の職場だからこそ、仮眠室やシャワー、トイレなどの設備が重要になる。しかし、老朽化などで施設の改善が課題になっている。中には男女別の設備がなく、女性が利用しにくいケースもある。
「会社は女性を増やしたいと言いますが、施設が女性に優しくないところがあります。安心して働ける環境を整えてほしい」と宍戸さんは訴える。
もう一つの重要課題は、定年再雇用後の処遇問題だ。「定年を延長し、再雇用で処遇が下がるようなことのないよう、みんなで交渉していきたい」と力を込める。
組合活動に参加して、宍戸さんの労働組合に対する印象は大きく変わった。組合役員が要求書を作り、賃金や一時金、有給休暇の改善に向けて地道に取り組む姿を目の当たりにしたからだ。実際に、2026春闘では労働組合の要求によって有給休暇が一日増えるという成果も勝ち取った。
労働組合の効果を何より実感したのは、一般の社員ではなかなか会うことのない本社の担当者に職場の声を直接伝えられたことだという。
「職場で働いているだけでは本社の担当者と話す機会はありません。でも、労働組合なら職場の声を交渉の場で会社に直接伝えられます。職場の不満や不安を会社に言えずに困っている人がいたら、労働組合から会社に伝えられることを知ってほしいです」
楽しみながら仲間を増やす
組合活動を通じて、他の料金所や他の労働組合の仲間との出会いも増えた。
「普通に働いていたら出会えなかった人たちと話せるのが、本当に楽しいです」
宍戸さんは、組合活動を続ける上では、仲間と和気あいあいと活動することも大切だと考えている。
こうした組合活動を進める上で、情報労連の存在は大きな支えとなっている。
「私たちだけでは、要求をどう文章にまとめたらいいかわからないことがあります。情報労連の皆さんが組み立て方を教え、しっかり支えてくれる。本当にありがたいです」と宍戸さんは話す。
また、情報労連への加盟を機に、同じネクスコ・トールで働く他地域の仲間との交流も広がった。宍戸さんは、東北、関東、中日本の仲間と情報を共有し、共通する課題の解決につなげたいと考えている。
組合の委員長にはまだ就いたばかり。「私でいいのかな、と思うこともあります」としながらも、宍戸さんの表情は明るい。「楽しみながら、仲間を増やしていきたい」。
![情報労連[情報産業労働組合連合会]](/common/images/logo_ictj.png)

