【第7編】労働組合〜ジェンダーギャップ最劣悪国でどうしますか〜労働組合の
組織的特質

クミダンは、表面上はジェントルメンだけど一皮むくとやっぱりオヤジ、などのクミジョの意見が後を絶ちません。ただし、クミダンの背後にある労組という組織の特質にも目を配る必要があります。
労組は会社のようにつぶれることはありません。解散する労組もありますが、いろいろ懸念はあるにせよ、たいてい当面は安泰な組織です。
役員には任期があります。任期中は前例踏襲を基本として穏便に。検討中、継続課題、放置になりがちな組織です。誰であれ、多かれ少なかれ、そんな傾向があります。
労組は一枚岩で、みんなのための組織と言われます。一枚岩になるために言いたいことを引っ込めたりしたことありませんか。みんなのためなら、自分たちのことは後回しになりがちですよね。
信頼を集め選任された人材、と本人は思っているけれど。慣行やルールのおかげ? 現場を離れてウン十年? 立派な役員もいますが、時々見かける、お山の大将のような裸の王様のようなクミダン(裸の大将?)は、とってもややこしいです。
ジェンダーバイアスという言葉は、公式な場で聞かれるようになりましたが、楽しい飲み会の席では、そんな話は聞きたくないよ、と言われます。労組のジェンダーバイアスってどうなってんの? という話をするのなら、どんどん組織的特質が顔を出してきます。
クミジョを増やすことに限らず、労組は変革を起こしにくい組織であると言わざるを得ません。クミダンが悪いかどうかはともかく、組織的にはクミジョにとって働きにくい職場です。その組織の主導権をクミダンが握っているから、クミジョは切ない気持ちになります。
クミダンを、決して悪い人じゃないけれど、と言うクミジョが多いのもよくわかります。男性型基準や組織的特質にクミダンが気付いているかどうか。気付いていてもしょうがないよ、と口にするのかどうか。クミジョはそこをしっかり見ています。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。