【第8編】振り返りとまとめ〜「次々世代作戦」をどうする?〜第1編の振り返り・
ライフコース

このノートは、女性のライフコースの話から始めました。母親になりたい、と言ったあなたが(結婚してもしなくても、子どもを産んでも産まなくても自由です、念のため)、就職(就社)してからのことです。現在の日本では結婚しても退職しませんが、出産後にいったん退職する女性が多いです(継続就業する女性は若干の増加傾向にあります)。
出産すれば、子育て負担が母親にのしかかり苦労することは、共有されています(「子育て罰」なる言葉もあります)。だから、結婚や出産、退職を巡ってとても迷いますよね。少子化の真因です。
仕事を続ける女性には、「マミートラック」や「ガラスの天井」が立ちふさがります。退職した女性には、子育てと仕事の両方の負担、正社員再就職の難しさ、扶養される者へ誘われる税・社会保険制度などによって、非正社員になる選択肢が現実的となります。
また、離婚率が高まり(近年は微減傾向にあります)、シングルマザーは決して珍しくなくなりました。女性にとって年金制度は、個人が尊重されず制約が多く、強力な家族主義が見え隠れして面倒くさいです。その先には介護も待っていて、子育てと同様に負担は大きく、しんどいです。
どうしたらよいのでしょうか。家族主義は聞こえ方がよいですが、当然のように人生の根底に敷かれていて、家族がしんどい人にとってはおりのようです。男性がほぼ何も変わらず、変えずに済んでいるのに、女性は常に変更を要求され、苦境に入り、振り回されたりします。
ですから(男女平等という口先解決を信じないのなら)、冷遇された女性のことだけでなく、変わらなくてよい優遇された男性へ目を向ける必要がでてきます。毎日こんなに長い時間働く男性たちの主戦場、つまり職場に着目する必要があります(男性も被害者かもしれません)。
しかしその前に、女性のライフコースでごく自然に見える、女性特有の働き方と言える非正社員へ目を向けておきます。
主著に『女性活躍不可能社会ニッポン 原点は丸子警報器主婦パート事件にあった!』(旬報社)、「万博の労働者が危ない—エキスポ1970で何が起きたのか」『労働法律旬報』(2024.10.25)など。
![情報労連[情報産業労働組合連合会]](/common/images/logo_ictj.png)

