ビストロパパレシピ2025.11
断捨離をすると、
おいしいに
出合える。のりの佃煮
2025/11/12

断捨離に目覚めてから、家の中のいろんなものを手放している。
ソファー、ピアノ、使わなかったヒーター。
断捨離モードになると、「いつ使うか」ではなく「なくても困らないよね」という視点で考えるようになる。
次はキッチンの断捨離だ。食の仕事をしていることもあり、食材のストックも多い。
その中には、いつの間にか賞味期限を過ぎたものが出てくる。
先日、戸棚の奥から焼き岩のりが見つかった。賞味期限は過ぎていたが、乾物は意外と長持ちする。何より、今の時代、のりは高級品。捨てるには惜しい。
「どうせなら、まとめて佃煮にしてみよう」
そう思い立ち、水に浸して、しょうゆ・みりん・砂糖を加えてことこと煮た。すると、驚くほど上品で深い味の、自家製のりの佃煮ができ上がった。
これまで何度か作ったことはあったが、焼き岩のりで作るのは初めて。結果、これが一番うまい。とろりとした口あたりとのりの風味が絶妙で、炊き立ての新米にのせると、箸が止まらなかった。
断捨離ブームのおかげで、こんなぜいたくな佃煮に出合えた。
「捨てる」と「活かす」は、紙一重。もしあのとき迷わず捨てていたら、この味には巡り会えなかっただろう。
ものを減らすことは、心を軽くすること。けれど、残す価値を見極めることもまた、断捨離の本質だ。焼き岩のりは、最後に大仕事をやってのけた。これだから、断捨離はやめられない。
材料(つくりやすい分量)
- のり(10g程度)
- 水(200ml)
- A
- みりん(50ml)
- 酒(50ml)
- しょうゆ(50ml)
- 甜菜糖(大さじ1)
作り方
- 鍋に手でちぎったのりと水を入れる。のりが水になじんだらAを加えて混ぜる。
- 鍋に火をかけコトコト弱めの中火で煮続ける。途中焦げないように混ぜながら、水分がとんでトロトロになったらでき上がり。
- 粗熱が取れたら密封容器に移して冷やす。
子手伝い:のりを手でちぎって小さくする
- ビストロパパのワンポイント・アドバイス
- 賞味期限切れ食品を見つけたら、一工夫してみよう。

滝村 雅晴 (たきむら まさはる)
パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。料理初心者がオンラインで学べるビストロパパの料理塾を開講。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。
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