"UNITE"
To the next stage
今こそ団結!
「運動の重点」具現化に向けて
情報労連は、7月31日に第64回定期全国大会を開催し、「誰もが暮らしやすい社会の実現をめざし、『信頼と共感』で働く仲間の心と力をつなぎ、『顔の見える』産別運動を展開しよう!」をスローガンとする「2025〜2026年度中期運動方針」を決定し、新たな体制の下、向こう2年間の運動をスタートさせた。
中期運動方針で決定した五つの運動の重点((1)25万労連の実現に向けた取り組みの追求、(2)加盟組合活動の充実に向けた取り組みの強化、(3)産別政策の深化と実現に向けた取り組みの強化、(4)「暮らしやすい社会」の実現に向けた政治活動の推進、(5)社会的価値ある産別運動の展開)の具現化に向けて、すべての加盟組合とともに運動を展開する。その思いと決意を述べておきたい。
対立と分断の世界と労働組合
はじめに7月20日投開票の「第27回参議院議員選挙」では、組織内『かまたさとる』(熊本県選挙区)は善戦むなしく惜敗となったものの、組織内『吉川さおり』(全国比例)、準組織内『森本しんじ』(広島県選挙区)が厳しい情勢の中、当選を果たした。あらためて、すべての加盟組合の組合員・家族、退職者、そして支援組織・団体の皆さんの多大なる支援に深甚の感謝を申し上げる。
さて、想定を上回る超少子化と超人口減少社会の日本。そして「対立と分断」を深める世界の社会・経済など、私たちを取り巻く情勢は大きく変化し、内外ともに未曽有の課題に直面している。場当たり的、ポピュリズム的な政策だけでは乗り越えられない。国民を巻き込んだ論議が不可欠であり、まさしく「政治への信頼」と日本の今後のあるべき姿を論じる政治が必要である。
一方、労働組合はその存在意義が問われて久しい。「中間団体である労働組合は、個人と個人を結び付け、個人と国家を媒介/対抗させる役割を持つ。労働組合が持つ多くの役割のうち、経済的機能のみならず、民主主義の担い手としての政治的機能やアトム化する労働市場における労働者の居場所、帰属集団としての社会的機能に着目し、労働組合の未来について論じるべき」との示唆がある(出所:連合「労働組合の未来」研究会報告書)。
社会的価値ある運動の「継承」と「変化への対応」
この間、組織人員や財政状況など組織の現状や取り巻く環境の変化を踏まえ、産別機能の強化と次代への運動継承に向け、「組織強化検討PT」で検討論議を重ねてきた。第64回定期全国大会においても、第62回定期全国大会(2023.7.13)で確認した「最終まとめ」の取り組みを実践し、産別運動の充実・強化につなげていくことをあらためて確認したところである。
60年を超える情報労連運動の根底は、2年前にこれまでの運動の軌跡を振り返り起草した「基本理念」にある。“私たちは、信頼と共感を礎に、社会的価値ある労働運動を推進し、誰もが暮らしやすい社会の実現をめざす”である。先達の方々は、社会・経済などの変化に対応しつつ、常に社会的価値ある産別運動を積み上げてきた。この理念の下、“情報労連らしい”産別運動を次代に継承し、変化に対応した運動スタイルの確立や産別運動の強化に向けて、着実に歩みを進めていきたいと思う。
「顔の見える産別運動」の展開
前述した情勢認識や組織の現状等を踏まえ、スローガンにある「顔の見える産別運動」を強化する。
その一つは、ブロック支部・県協と連携したブロック加盟組合への「伴走型支援」の継続・充実である。加盟組合も組合員一人ひとりも、置かれた状況や単組・産別に対する期待などもまちまちである。これらに向き合いながら、支援の取り組みを検討・実践することが、産別加盟の意義・必要性の理解と関係強化につながる。
その二つは、「産別政策の深化と実現」に向けた取り組みの充実・強化である。産別機能の大きな一つであり、政策実現に向けた政治活動にも連動する。基本理念と同じく2年前に起草した「行動指針」の一つに、“ICTの利活用を通じ、個人や社会のWell-being向上を図る”がある。人口減少をはじめとする課題先進国の日本、さらには人権や格差拡大、気候変動などが世界の大きな課題となる中、社会的課題を解決し、あらゆる分野において、ケイパビリティ(個人が選択可能な生き方の幅)が保障される社会の実現に向けて産別政策の深化と実現への取り組みを強化していく。
紙幅上、すべての運動課題に触れることはかなわないが、「組織拡大」と「多様な人材の参画」が運動の原動力・推進力につながる。すべての加盟組合とともに、展望を持って前に進めていく。
次のステージに向けて、今こそ「団結」
さて、伝統的に中期運動方針を進めるに際しキャッチコピーを求められるが、前体制の「UNITE」を継承したい。頭文字のUは組合(Union)、Nはつながり(Network)、Iは包摂(Inclusion)、Tは信頼(Trust)、Eはお互い・支え合う(Each other)。その上で、次のステージに向けて、さらに運動を前に進める意味を込め、「“UNITE” To the next stage 今こそ団結!」をキャッチコピーに、支え合い、人と人がつながり、信頼し合える社会、誰もが安心して働き暮らせる社会をめざし、すべての加盟組合の力を結集して情報労連運動を進めていく。
最後に繰り返すこととなるが、“情報労連らしい”産別運動の継承と環境の変化にチャレンジしていく、決意とする。