ビストロパパレシピ2025.12

宝物が
捨てられていないか
大根の葉炒め

2025/12/15

大根を買うとき、どこを見るだろう。白く太った根の部分? 値段? 重さ? 私は“葉”を見ている。立派な葉が付いているかどうか。それだけで、料理の幅も、暮らしの満足度も大きく変わる。

大根は葉がなければ育たない。けれど、スーパーに並ぶときには、その多くが切り落とされてしまう。葉付きで手に入ることは、とても少ない。けれど、あの葉こそが、野菜としては栄養満点で食べるべき食材だ。

わが家には、隔週で木更津から無農薬の野菜が届く。収穫したそのままの姿の大根を手に取るたび、「これだ、これが食べたかったんだ」と思う。葉がしっかりしているということは、畑を出てからの時間が短い証拠。台所に立つ前から、もうおいしさが約束されているようなものだ。

刻んで、鷹の爪とごま油で炒める。かつお節を加えて、しょうゆを回しかける。驚くほど簡単なのに、箸が止まらないおかずになる。ごはんの上で存在感を放ち、お弁当のすき間も埋めてくれる。おにぎりの具にもぴったり。それなのに、この葉は、ほとんど市場に出てこない。きっと多くが捨てられてしまっている。

もったいないどころではない。

もし、日本中の家庭で大根の葉を日常的に食べるようになったら、健康な人がもっと増えるのではないか。ごはんもおいしく食べられるのではないか。そんなことを想像する。

料理は、手にした食材の見方で変わる。大根の葉は、ただの添え物ではなく、知れば知るほど宝物だった。

今日も、木更津の畑で育った葉と育ててくれた人に、そっと感謝を込める。

調理時間

10分

材料(3人分)

  • 大根の葉(200〜300g程度)
  • 鷹の爪(1本)
       *お子さんがいる場合はなしで
  • かつお節(軽く1つかみ)
  • ごま油(大さじ1)
  • しょうゆ(小さじ2〜)

作り方

  1. 大根の葉を1センチ幅ぐらいに切る。
  2. フライパンにごま油と鷹の爪を入れて火にかける。熱くなったら大根の葉を入れて強めの中火で炒める。火が通ってきたらカツオ節を加え、火を弱めてしょうゆを回しかけして炒めてでき上がり。
子手伝い:大根の葉を洗う
ビストロパパのワンポイント・アドバイス
大根は、大根の葉狙いで買おう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる) パパ料理研究家・ありがとう料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。料理初心者がオンラインで学べるビストロパパの料理塾を開講。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。
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