巻頭言 UNITE To the next stage2026.01-02

2026年 年頭にあたって

2026/01/15

皆さん、あけましておめでとうございます。

2026年は丙午ひのえうまの年──火のエネルギーが強く情熱的で勢いのある年になるといわれる。この火を、怒りや対立の炎ではなく、未来を照らす灯火に変えていく。その決意を胸に、新しい一年を展望をもって運動を展開していく。

振り返れば2025年は、日本社会だけでなく世界全体が大きく揺れ動いた一年であった。国内では物価高、災害、インフラの老朽化、政治不信などが重なり、働く人々の暮らしに不安が広がった。世界に目を向ければ、「分断と対立」が深まり、紛争や暴力が多くの命と尊厳を奪い続けている。国と国、人と人の間に壁が築かれ、対話よりも対立が前に出る場面が増えている。こうした状況に、私たちは深い危機感を抱かざるを得ない。

世界の平和なくして、私たちの未来はない。すべての人の人権が尊重される社会なくして、持続可能な発展はあり得ない。この思いを、2026年の冒頭にあらためて強く共有したい。

2026春闘へ向けて

さて、連合は「未来づくり春闘」を掲げて5回目となる「2026春季生活闘争方針」を決定した。

多くの有識者が指摘するように、日本経済を再生する鍵は明確である。それは「人への投資」である。そして、働く人々の生活を守り、未来への消費と投資を生み出すためには、物価を上回る賃上げの実現が不可欠である。

そのために、労働組合には、賃上げの旗を決して降ろさず、現場の声を社会に届け続ける責任がある。賃金は働く人の尊厳であり、暮らしの土台であり、地域経済を支える循環の源である。同時に、長時間労働の是正、安心して働ける環境づくり、学び直しの支援など、働く人の未来を支える取り組みを進めていかなければならない。

企業には、賃上げを「コスト」ではなく「未来への投資」と捉える視点が一層求められる。サプライチェーン全体で生み出された付加価値を適正に分配することであり、中小零細企業が価格転嫁できず、適正な取引が行われなければ、賃上げは現場に届かない。公正な取引慣行、透明な価格転嫁、優越的地位の乱用を許さない仕組みづくり──これらは、賃上げと人への投資を支える「経済の血流」となる。

そして政治には、未来への投資を後押しする政策の実行が求められる。教育、子育て、医療・介護、地域インフラ──これらはすべて「人への投資」であり、社会の土台である。政策的対立ではなく、未来を見据えた協働の政治が必要である。

情報労連は、働く人の声を社会の声へ、社会の課題を未来の解決へつなげる。デジタル社会の光と影を見つめ、誰もが安心して働き、学び、挑戦できる社会をつくるために、私たちは歩みを止めることなく、これからも、社会的価値ある労働運動を力強く推進していく。そして世界の平和と人権の尊重を願い、その実現に向けて声を上げ続けることも、私たちの重要な使命である。

過去があって現在があり、現在は未来のためにある。私たちの今日の行動が、明日(未来)の社会をつくる。ともに希望ある未来を切り拓いていこう。

北野 眞一 (きたの しんいち) 情報労連 中央執行委員長
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