巻頭言 UNITE2025.05

通常国会から参議院議員選挙へ

2025/05/14

GW直前、何かと慌ただしい中で本稿を書き上げている。情報労連・加盟組合役職員には、大会まで組織一体となって結果と成果を出すラストスパートの取り組みをお願いする。

今、世界を見渡せば、トランプ米大統領の一方的な「相互」関税を巡り、各国は翻弄されている。

日本政府は、他国に先駆けて、担当閣僚による日米交渉に臨んだが、大統領自らが出席する異例の協議となり、アメリカは、関税や貿易と関係のない安全保障を交渉材料に組み入れるなりふり構わぬ要求を持ち出している。在日米軍駐留経費の負担に言及しており、日本政府には、無謀な貿易・関税のみならず安全保障において、トランプ大統領の偏った政策や誤った認識を正すべきであり、安易な迎合はしてはならない。日本政府の毅然とした対応が求められる。

情報労連・加盟組合による春闘交渉でも、先月までの上げ潮ムードから、トランプ関税による景気の先行き不安から業績への影響を懸念する企業が慎重姿勢に転じているとの報告を受けている。米国の関税政策で賃上げの勢いに水が差されることのないよう日本政府の強い姿勢を示してもらいたい。

超少子高齢化に突入し、社会保障費や少子化対策等に対処しなければならない日本にとって、駐留経費や防衛費の負担増は行うべきでなく、まして平和主義を標榜する日本は応じるべきではない。

情報労連は、日米地位協定の見直し、在日米軍基地の整理・縮小を基本政策に掲げており、これを機会に見直しに着手すべきではないか。

これまでのルールに基づく国際秩序が大国の横暴で崩れつつあり、先行き不透明で不安が増す。こうしたリスクにどのように向き合うのか、現実的な対応と、一方で、国際ルール・秩序の立て直しが必要であり、資源もエネルギーも乏しい日本は、国益を損ねることなく粘り強い協議と主体的行動が求められるだろう。政治のかじ取りが重要になるが、政治に強さ・リーダーシップは感じない。

「吉川さおり」理解浸透へ

第217通常国会では、少数与党となった石破政権の運営に注目が集まっているが、何とか野党の要求を取り入れながら、2025年度予算を成立させた。残り1カ月あまりとなる通常国会での与野党の駆け引きも始まっているが、国難ともいえる事態に与野党ともに責任ある国会審議・運営を期待する。

7月に迫った参議院選挙を意識した各党の政策づくりも活発になっている。物価高は、国民の暮らしに直結することから、各党の経済対策が選択肢になりそうだ。とりわけ、消費減税と社会保障が参議院選挙の焦点となるだろう。立憲民主党は、物価高騰を受けて、生活が苦しくなった家計への負担軽減から「食料品への消費税ゼロ%を1年間」を基本とする政策を打ち出した。財源問題もあり、全面的に賛成ではないが、一定理解できる。十分に精査した具体化を要望する。

情報労連は、組織内「吉川さおり」の取り組みに組織の総力を挙げて展開する政策実現集会を全国主要エリアで順次開催していく。「吉川さおり」の理解浸透のために多くの組合員の参加参画を求める。

安藤 京一 (あんどう きょういち) 情報労連 中央執行委員長
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