「戦後80年情報労連平和中央集会」を開催不戦と平和への誓いを次代へ
勇気と努力の結集が平和の礎になる

平和を希求する実践者として
情報労連は5月23日、都内で「戦後80年情報労連平和中央集会」を開催した。会場には約300人、ウェブで約310人が参加した。
主催者を代表して登壇した安藤委員長は次のとおりあいさつした。
「平和なくして労働運動なし。平和であってこそ組合員やご家族を含め、すべての人が安心して働き、暮らすことができる。私たちはこの言葉を胸に、『創り育てる平和』をシンボルフレーズに、ほかのどの組織よりも平和運動に力を入れ、世界の恒久平和を訴えてきた」
「戦後80年となる今年は、平和と向き合う1年と位置付け、さまざまな活動を展開している。その最大の目的は、戦争の悲惨な実相を現在の世界と関連させつつ伝承していくことにある。そのために平和教材のアーカイブ化、『平和マップ』の作成、メタバース展示など、過去と未来をつなぐ活動を具体化してきた」
「世界に目を向ければ戦争や紛争は後を絶たず、悲劇が繰り返されている。日本が再び戦争できる国に変わりつつあると感じるのは、私だけではないはずだ。日本は米中対立に組み込まれ、防衛費を拡大するとともに、辺野古新基地建設を強行し、南西諸島の前線基地化を進めている。また、唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、核兵器禁止条約を批准しようともしていない」
「平和の礎となるのは、平和を希求する大勢の人の勇気と努力の結集だ。戦争の悲惨な実相を見て聞いて感じ、平和を希求する行動につなげることが大切だ。これからも情報労連の平和運動に積極的に参加してもらい、平和を希求する実践者として行動してほしい」
組織内「吉川さおり」議員があいさつ
続いて、組織内「吉川さおり」参議院議員が次のようにあいさつした。
「戦後80年を迎え、平和の尊さをどう引き継いでいくのかが、今の私たちに問われている。憲法前文には胸に刻むべき言葉がたくさん記されている。戦後すぐに制定された法律にも振り返るべき思いが数多く込められている。例えば放送法は、戦前・戦中の大本営発表の反省の上に立ち、崇高な理念を掲げている。戦後80年は、さまざまな法律が戦争の反省の上につくられたことをもう一度かみしめる節目でもある」
「平和で安心して生活できる社会は、決して当たり前ではない。平和の土台がいつゆらいでもおかしくない国際情勢の中で、私は政治の立場から、法律をつくる立場から皆さんの代表として、平和を創り育てるという社会をつむいでいきたい」
「平和宣言」を採択
続いて特別公演として、講談師の神田香織さんが、講談「はだしのゲン」を披露した。神田さんの卓越した話芸と胸に迫る語りから、参加者は原爆の悲惨さと被爆者の過酷な経験を追体験した。
その後、情報労連の「戦後80年の取り組み」として三つの活動を紹介した。一つ目は、情報労連や構成組織がこれまで制作してきた冊子や映像などの平和教材をデジタル化する「デジタルアーカイブ」の取り組み。二つ目は、全国の戦争遺構などをウェブ上にまとめた「未来につなぐピースMAP」の取り組み。三つ目は、メタバース空間に広島の平和記念公園を再現した「バーチャル広島平和記念公園」の取り組みだ。
これに続き、集会では最後に「平和宣言」を採択した。宣言では、「不戦と平和への誓いを次代に継いでいくことこそが、今を生きる私たちの責任」であるとして、「核兵器廃絶、世界の恒久平和の実現に向けて、全力で行動し発信していく」ことを参加者全体で誓い合った。