【第7編】労働組合〜ジェンダーギャップ最劣悪国でどうしますか〜スレ違い3

クミジョとクミダンのスレ違いは、女性の人権から考えるとわかりやすいです。病院を設立して、国内や隣国の加害者からの性被害者女性の心身の治療と支援を20年以上続け、2018年にノーベル平和賞を受賞したコンゴ民主共和国のムクウェゲ医師を知っていますか。
コンゴの国情を国際社会へ発信するために本を出版したり映画が撮影されたりしています。シブヤはその1冊を手にとって、赤ん坊から90代まで年間約40万人もの女性がレイプされる惨状を知りました(『勇気ある女性たち』)。
確かにコンゴの政情は複雑です。しかし、社会の根底に父親の特権、サバイバーへの拒絶、社会認識など、女性の人権が欠落している事実があります。
前書きから、リアルです。ムクウェゲ医師が活動を進めれば、男性から、なんで女性のことを熱心に? を動機を疑われますし、女性から、どうして男性のアンタがしゃしゃり出るんだ、と憤りが投げ付けられます。あるある。クミジョに寄り添うだけで同じ目に遭いますから。
気になるのは、日本はジェンダーギャップ指数(GGI)120位台の常連、コンゴは130位台の常連で、基本的に同レベルです。
先進国のように振る舞い、そう思い込まされている日本でも性暴力や性犯罪が報道されるようになってきました。痴漢や盗撮やストーカーは日常茶飯事で、性の献上まで。ひょっとしたら、基本的にコンゴと同じで展開が違うだけじゃないんですか。選択的夫婦別姓すらできないのは不思議だと思いませんか。
ここは女性の人権が侵害されている日本ですよ、と潔く認めることから逃げていませんか。労組はその日本の男性型組織ですよね。労組にもクミジョへのハラスメントなど隠しきれない事件がたくさんあります。女性の人権なんて大げさな、部外者は黙っとけ、とメッセンジャーを制して封印しようとしているうちは、スレ違いまくるのは当然でしょう。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。