「支え合い」の大切さを見つめ直すすべては生協組合員・家族の
『安心・安全』のために


──電通共済生協は、どのような理念を大切にしてきたのでしょうか。
最も大切にしてきたのは、「支え合い」です。電通共済生協は、来年4月に設立60年を迎えます。その中で「すべては生協組合員・家族の『安心・安全』のために」という理念の下、事業を展開してきました。
設立当時は高度経済成長期でした。しかし、すべての労働者にその恩恵が十分に行き渡っていたわけではなく、貯蓄に回す余裕も十分にない時代でした。そうした中、「困ったときはお互いに助け合おう」という考え方から生まれたのが共済です。この時代には「共済」と名の付く組織が数多く設立され、労働者の福祉を支える事業が広がっていきました。電通共済生協も、その一つです。
設立の背景にはもう一つ、「組合組織の自立」という目的がありました。当時は、会社が行う企業福祉に対して、労働組合自らも支え合う仕組みを持つ必要性が意識されていました。こうした背景から、電電公社の労働組合を中心に1967年に「全電通共済生協」が設立され、その後、電気通信産業で働くすべての労働者の福祉をめざし、1975年に産業別共済組織として現在の電通共済生協となりました。
こうした背景の下で設立された電通共済生協は、「すべては生協組合員・家族の安心・安全のために」という理念の下、時代に応じて組合員に必要な仕組みを整えてきました。大地震などの際には、被災した組合員に見舞金や特別措置などの支援も行ってきました。こうした取り組みは、組合員同士の絆を強め、労働組合運動の発展にも寄与してきたと捉えています。
──民間の保険とは異なる、共済ならではの特徴やメリットを教えてください。
大きな違いの一つは、共済は営利を目的とせず、「支え合い」を基本とした仕組みであるということです。
二つ目は、一人ひとりの組合員が抱える共通の不安を自己責任にするのではなく、みんなで出し合ったお金で不安を解消していける仕組みということです。職場の仲間が集まってつくる職域共済だからこそ、生活に直結した不安に備える仕組みを提供できます。
また、メンバーシップを基盤として運営しているため、手ごろな掛金で保障を提供できることが大きなメリットです。共済の掛金は、保障に充てる「純掛金」と運営経費にあたる「付加掛金」に分かれますが、私たちは労働組合を中心とした仕組みで運営することで、広告宣伝費などの経費を抑え、掛金を低く設定することができます。
そしてもう一つは、組合員の声を反映できる民主的な組織であるということです。組合員の中から代表者を選び、組合員の声を反映して制度や運営を決めていける仕組みは、民間の保険会社とは違う大きな特徴だと思います。
──自然災害が増える中で、「支え合い」の大切さを感じたエピソードを教えてください。
近年は風水害や地震が全国各地で相次ぎ、被害も甚大化しています。今年も7月の熊本地震、8月の千葉豪雨をはじめ各地で被害が発生し、生協本部にも共済金請求が届いています。
「令和6年能登半島地震」では、1500件を超える請求に対して約5億円の共済金をお支払いしました。また、2025年1月から2月にかけての豪雪でも、約2億円をお支払いしています。
能登半島地震では、住居が全壊した組合員から、「退職した今、住居の心配をするとは思わなかった。備えや保障の必要性を痛感した」という声をいただきました。豪雪で被災した組合員からも、「自然災害共済がとても役に立った」とのお礼の言葉をいただいています。
東日本大震災などでも、被災した組合員に見舞金などの支援を行ってきました。生協の役割は、「共助」の大切さを形にし、実践していくことだと考えています。
──これまで寄せられた組合員の声の中で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。
死亡や重度障害は、本人だけでなく、ご家族の生活や将来にも大きな影響を及ぼします。私たちの生命共済では、死亡だけでなく重度障害も保障しています。現職組合員への重度障害の共済金支払いは、直近3期でいずれも10件を超え、1期当たりの支払額は平均約2億円となっています。実際に共済金を受け取った方からは、「自宅のバリアフリー改修に充てることができた」「今後の生活への不安が軽減された」といった声も寄せられています。こうした声に触れると、万が一のときに本人やご家族の暮らしを支えることが、共済の大切な役割だと改めて感じます。若いうちからリスクに備えることが大切です。
──「支え合い」をさらに広げていくために、現在力を入れている取り組みを教えてください。
電通共済生協は、組合員同士の助け合いによって成り立っています。一人でも多くの方に共済へ加入していただき、スケールメリットを生かしていくことが重要です。
その第一歩として、職域会社に採用された皆さんには、総合共済への加入に加え、基盤保障となる「生命共済」と「Myセーフティ」のセットプランへの加入を推奨しています。
「若いから死亡や病気のリスクは低い」と考える方もいますが、けがは誰にでも起こり得ますし、重度障害も若年層やミドル層で起こります。女性特有の病気についても、若いうちから備えることが大切です。「若いから大丈夫」ではなく、いざというときに備えることの大切さを、これからもしっかり伝えていきたいと考えています。
──今後の展望と組合員の皆さんへのメッセージを。
共済はもともと、「支え合い」の精神からスタートしました。60年前に比べ、社会保障制度は充実しましたが、少子高齢化や自然災害など、新たな課題が増えています。それでも共助の大切さは変わりません。支え合いの大切さをこれからも伝えていきたいと思っています。
労働組合の役割は、賃金や労働条件を改善して収入を増やすことだけではありません。生活にかかる支出を抑え、お金を適切に使えるよう支えることも大切な役割です。共済の役割はここにもあります。大きすぎる保障は家計を圧迫し、小さすぎれば万一のときに十分な備えになりません。一人ひとりの状況に合わせて、過不足のないサポートをこれからも大切にしていきたいと考えています。
また、組合役員の皆さんにも共済事業の大切さを改めて認識してほしいと思います。労働組合と生協は、組合員の安心という共通の目的を有する組織です。「組合員とその家族の生活をいかに守るか」という視点を共有しながら、ともに役割を発揮することが大切だと思います。
自家共済の大きなメリットは、自分たちで制度を考え、運営し、組合員にとって必要な保障をつくっていけることです。60年にわたって受け継がれてきたこの仕組みを守り、次の世代へつないでいくことも、私たちの大切な責任です。「すべては生協組合員・家族の『安心・安全』のために」という基本理念をこれからも大切にし、実践していきます。
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