「支え合い」の大切さを見つめ直す「福祉はひとつ」を合言葉に
働く人自らがつくり上げる
労働者福祉運動を展開

(中央労福協)事務局長
「福祉はひとつ」
労働者福祉中央協議会(中央労福協)は、今年、結成77周年を迎えました。私たちは結成以来、すべての働く人たちの幸せと豊かさをめざして、労働者福祉運動を推進してきました。ここでは、労福協の歴史や理念、これまでの活動についてご紹介します。
中央労福協は、終戦後の1949年に結成されました。当時、人々は住むところも着るものもなく、深刻な食糧不足にも悩まされていました。そうした状況の中、食糧や生活物資の確保をめざし、当時別々に活動していた労働団体、生活協同組合など36団体が、組織の枠とイデオロギーの違いを超えて結集し誕生したのが中央労福協です。先人たちは、立場や考え方の違いを超えて力を合わせることで、誰もが安心して暮らせる社会をつくることをめざしました。その思いは、「福祉はひとつ」という言葉で今も私たちに受け継がれています。
労働者自らつくり上げる運動
では、「労働者福祉運動」とはそもそもいったい何なのでしょうか。労働者福祉運動とは、働く人たちの幸せの実現に向けて、政策や制度の改善を求めるとともに、労働者自らが福祉をつくり上げていく取り組みのことです。中央労福協は、活動の対象を社会保障制度の確立などへも広げる中で、労働者福祉事業の設立や組織化にも取り組んできました。こうした取り組みの中から、労働者のための銀行である労働金庫や、労働者のための共済であるこくみん共済 coopが誕生しました。
皆さんにお伝えしたいのは、こうした労働者福祉事業は、労働者自身がつくり出した共助の仕組みであり、組合員の出資・運営・利用によって成り立っているということです。労働者福祉運動を次の世代へと引き継ぎ、さらに発展させていくためにも、労働者福祉事業の利用促進や共助の輪を広げる取り組みにご協力いただければと思います。
広がる福祉運動
さて、中央労福協は、その後も時代の変化に合わせ、さまざまな社会課題に向き合ってきました。2000年代には、多重債務や悪質商法の根絶、貧困問題に取り組み、法律家や消費者団体とも連携し運動を展開しました。その結果、貸金業法や割賦販売法の改正につながりました。
そして2015年以降、特に力を入れて取り組んできたのが、奨学金制度の改善と高等教育費の負担軽減です。中央労福協が実施した奨学金に関するアンケート調査では、大学生の2人に1人が奨学金に頼らなければ進学できず、卒業後の返済が結婚や子育てにも影響していることが明らかになりました。私たちは、300万筆を超える署名を総理官邸に提出するとともに、世論形成などに取り組み、奨学金制度の改善に向けた運動を展開しました。その結果、2017年には改正日本学生支援機構法が成立し、給付型奨学金制度の創設が実現しました。
現在は、近年の金利上昇により、有利子貸与型奨学金の返済負担が急増している状況を踏まえ、各政党や関係省庁に対して、返済負担の軽減をはじめとする奨学金制度の改善について要請を行っています。
また、近年多発する自然災害に関する取り組みも行っています。今年2月には、「くらし×福祉みらいプロジェクト」(こくみん共済 coopからの受託事業)の第1弾の研究テーマとして「被災者支援」を掲げ、「あるべき被災者支援戦略の策定研究会」を立ち上げ、議論をしています。
貧困や格差の拡大、自然災害など、私たちを取り巻く社会課題はますます深刻になっています。こうした時代だからこそ、これからも「福祉はひとつ」の精神を大切に、活動を続けてまいります。
![情報労連[情報産業労働組合連合会]](/common/images/logo_ictj.png)

