2026年度の運動に向けて
継承してきた思い
本誌発行が7月15日開催の「第65回定期全国大会」と前後するが、新体制の下、「2025〜2026年度中期運動方針」に基づき、運動・活動を展開してきた。加盟組合の連帯に感謝するとともに、この一年間の課題等を踏まえつつ、中期運動方針の結果と成果にこだわる向こう一年間としたい。
その上で、2026年度の運動・活動の展開にあたり、電通共闘以来、継承してきた思いを申し上げたい。
私たち情報労連は、戦後日本が掲げてきた「平和国家」としての歩みとともに対話と協調を重んじ、世界の恒久平和を追求してきた。この姿勢は、働く者の尊厳と権利を守る労働運動と深く結び付いている。
いま世界は、かつてないほど深い対立と分断の時代に突入した。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東・ガザ情勢の悪化、台湾海峡や朝鮮半島の緊張、さらには大国間競争の激化など、国際秩序は大きく揺らぎ、戦後築かれてきた「対話と協調」を基調とする枠組みが崩れつつある。エネルギーや食料の供給不安、物価高騰、経済安全保障を巡る摩擦など、世界の不安定化は私たちの生活にも直接影響を及ぼしている。
対話・協調の平和外交を
こうした中で、現政権は安全保障政策を大きく転換し、防衛費の大幅増額、敵基地攻撃能力の保有、武器輸出の拡大など、これまでの「専守防衛」を基調とした政策から、「力による抑止」へと重心が移りつつある。現政権は「平和を守るための備え」と説明するが、対話外交の強化や地域の信頼醸成といった平和構築の努力が十分に語られないまま、軍事的対応が先行していることに、多くの国民が不安を抱えている。
対話を重視した平和外交の強化なくして、真の平和はあり得ない。
さらに国内では、巨大与党のもとで政治のチェック機能が弱まり、緊急事態条項の創設を含む改憲論議、国民の知る権利の後退、報道の自由の低下、個人の自由や人権を軽視する政策の動きなど、平和・民主主義の根幹そのものが揺らぎ始めている。
私たち労働組合は、働く者・生活者の立場から、社会の不条理や権力の偏りに対して声を上げる存在である。労働条件の改善や賃上げのみならず、平和、人権、民主主義を守ることも、不可欠な労働運動であり使命でもある。平和が失われれば、働く者の権利も、生活の安定も、民主主義も守れない。まさに「平和なくして民主主義も労働運動もなし」である。
「組織拡大」待ったなし
同時に、私たちの運動の生命線である「組織拡大」も待ったなしの課題である。人口減少、産業構造の変化、非正規雇用の増加、企業のグループ化など、労働組合を取り巻く環境は厳しさを増している。組織人員の縮減が続き、運動リソースが限られる中であっても、私たちは踏みとどまり、未来を切り拓かなければならない。
職場やグループ会社全体で集団的労使関係を構築し、働く仲間を一人でも多く組織化することは、労働組合の社会的責任であり、運動の持続可能性を左右する根幹である。組織が強くなれば、交渉力が高まり、政策提言力が増し、平和と人権を守る力も確かなものとなる。
いま求められているのは、「私たち一人ひとりが運動の担い手である」という自覚を深めることである。平和行動への参加、政策実現に向けた政治活動、組織の仲間づくり──そのすべてが未来を変える力となる。私たちが声を上げ、行動し、つながりを広げることが、社会を動かすことにつながる。
私たちは、働く者の誇りと尊厳を守り、平和を創り、育て、次世代へと引き継ぎ、そして、誰もが安心して働き、暮らせる社会を実現するための社会的存在である。
情報労連が継承してきた社会的価値ある労働運動を、未来に責任を持つ行動を、皆さんとともに展開していく。
![情報労連[情報産業労働組合連合会]](/common/images/logo_ictj.png)

