第48回衆議院議員選挙
憲政史上類例のない暴挙
本誌到着時、10月10日に公示された『第48回衆議院議員選挙』は、22日の投・開票に向け、最終盤を迎えている。
“大義なき選挙”と言われた今回の選挙。朝鮮半島情勢が戦後最大の緊迫した状況下、第3次改造内閣(自称「仕事人内閣」)の発足からもわずか2カ月余、600億円もの巨費を費やす今次選挙は、果たして誰のための、何のための選挙なのか。
先の第193通常国会終了後(6月19日)、「深く反省し、政府として今後もわかりやすく説明していく」、大敗を喫した東京都議会議員選挙後(7月4日)の記者会見では、「国政の停滞は許されない。反省し、謙虚に、丁寧にやるべきことはしっかり前に進めていく」と語った安倍首相。現状進められている政治との大きなギャップにあぜんとし、強い憤りを感じずにはいられない。
とりわけ、6月22日に野党が求めた『憲法第53条に基づく臨時国会の召集』についてはたなざらしにし、ようやくにして開会したかと思えば、所信表明も、代表質問も、委員会の論議もまったくない中での冒頭解散。戦後の憲政史上においても類例のない暴挙であり、「権力の私物化」、「国会・国民軽視」の何ものでもない。
また、今次解散に際し、多くの識者が指摘した『総理の専権事項』とされる『解散権』。根拠規定とされる『憲法第7条3号』には「内閣の助言と承認があれば、『天皇の国事行為』として解散ができるとうたわれているが、「国民のために解散する」との明記を忘れてはならないし、このことは、解散権が内閣の権限であったとしても、政権与党の党利・党略のための『解散権』でないことは明らか。「解散権の乱用」についても今次総選挙の争点とすべきである。
組織内候補
重点候補の必勝へ
このような中で、公示日を目前にして「安倍一強政治に終止符を打つ」との方向感を共有し、旗揚げをしたばかりの『希望の党』との合流を決断した『民進党』。
その後の“排除の論理”による候補者選定を巡り協議が混迷する中、民進党は、分裂することとなり、結果として巨大与党を利する状況を生み出していることについては、極めて残念である。
直前まで政策の柱に掲げた『ALL FOR ALL』をはじめとする理念・政策の擦り合わせもないままに、「安倍政権の受け皿をつくるために、名を捨てて実を取る」とした前原代表の判断については、手法・タイミングにおいて疑問視せざるを得ない。
すでに確認・決定してきた多くの連合推薦候補者も“高い志”を否定される結果となる中、2日夕刻には、枝野幸男氏が『立憲民主党』の旗揚げを発表したが、「民進党の理念や積み上げてきた政策を“新たなプラットフォーム”で実現する」「生活者や納税者、働く者の立場に立つ」とのコメントについては共感するところ大である。
投票日まで残された期間はない。安倍一強政治の暴走に歯止めをかけ、日本の針路と政策を選択する『重要な政治決戦』。
情報労連は、短期・集中的取り組みを展開する。組織内候補・重点候補の必勝に向け、各構成組織の組合員に対する「有権者としての投票権の行使」の徹底を要請する。
(10月3日脱稿)