巻頭言2018.05

「SOGI(性的指向および性自認)」に関する差別禁止へ

2018/05/16

日本ではまだまだなじみのない『SOGI』

先月号(本欄)の『SDGs(持続可能な開発目標)』の続編ではないが、今回は、4月20日の第3回中央闘争委員会で意思統一した「ダイバーシティ推進月間(6月)」の取り組みについて触れることとしたい。

提起した内容は、「第2次男女平等参画推進計画」の着実な前進と、「SOGI(性的指向および性自認)」に関する差別の禁止に向け、主には対置する会社対応や労働組合自らの啓発活動を強化するというもの。とりわけ、『SOGI=Sexual Orientation and Gender Identity』の取り組みについては、労使による職場実態を踏まえた5点の対応((1)差別禁止の方針策定と周知(2)ハラスメント対策(3)相談体制の整備(4)雇用管理におけるステージごとの取り組み(5)安全衛生関係)を要請したところである。

国際的には、1990年代からの人権問題やジェンダーの課題としてさまざまな論議が重ねられてきたものであるが、日本も賛同し採択された2011年の国連人権理事会における『SOGIに関する人権決議』を踏まえ、EU全加盟国やオーストラリア、カナダなどにおいては、すでに関係法制も整備され、各ステークホルダーの具体的取り組みが進められている。

国連をはじめとする国際機関が定める「性の三要素」とは、(1)戸籍の性(2)性自認(3)性的指向。近年、オリンピック憲章への明記「性的指向を理由とする差別の禁止」をはじめとして、各自治体においても、差別禁止や同性パートナーシップを盛り込んだ条例の制定等も進んでおり、徐々にではあるが、日本国内においても社会的関心が高まりを見せる中で、企業労使の理解とともに、協約改定などの対応も前進しているところである。

このような中で、連合は、昨年11月に「SOGIに関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」を策定し、労働組合として取り組む事項について明らかにした。すべての人々の対等・平等・人権の尊重に根ざした課題として、必要な法整備を進めるとともに、就業環境の改善等に取り組むとしている。

情報労連の全組織で差別解消をめざす

日本の民間調査においては「12〜13人に一人がLGBT(Lesbian Gay Bisexual Transgender)当事者」との報告もある中で、まず大事なことは、性的指向や性自認によって社会的な困難を被る人がいずれの職場にも存在すること、さらには、LGBT以外の性的マイノリティーの皆さんも存在すること、そして、差別やハラスメントが「あらゆる職場で起こり得る問題である」との認識を共有すること。

情報労連は、これまでも『21世紀デザイン』に掲げている「性別や年齢の違い、障害の有無、貧富の差にかかわらず“ケイパビリティ”(能力発揮)が誰にでも平等に保障される社会」の実現をめざし、LGBT等の啓発活動等にも取り組んできた。今後は、これまでの取り組みをさらに進化させ、さまざまな社会的障壁の撤廃や差別解消をめざす『SOGI』の取り組みを、全組織で具現化する。

野田 三七生 (のだ みなお) 情報労連中央執行委員長
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