連合30周年へ向けて
「気候変動」と「災害列島・日本」を実感した"2018年夏"
6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨災害、そして9月の台風21号・北海道胆振東部地震と相次ぐ自然災害は日本列島各地に甚大な被害をもたらした。犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げる。今次災害における教訓を、今後の防災・減災意識の醸成と具体的行動へとつないでいきたい。
そのことを申し上げた上で、今号では、「連合中央委員会」と「働き方改革」について触れておきたい。
連合30周年へ新たなビジョンを策定
まず、連合の第78回中央委員会(10月11日)であるが、今次委員会の任務は、昨秋の第15回定期大会で決定した運動方針(次の飛躍へ 確かな一歩を!)について、今日的情勢の変化を踏まえ補強すること。
世界に目を転じれば、第四次産業革命がもたらす産業・社会の劇的変化、ポピュリズム・自国優先主義・排外主義の台頭、核兵器の廃絶や、社会の持続可能性を追求する動き、さらに直近では、朝鮮半島の非核化に向けた米・朝・韓の駆け引き──等も報道されている。
このような中で、日本においては、安倍一強政治の継続と野党の分裂による政治的閉塞感が漂う中にあって、超少子・高齢化、人口減少社会へひた走り、平和を希求する日本の立ち位置と具体的行動、さらには将来ビジョンの提示が求められる極めて重要な局面を迎えている。
連合が起こした「活動計画」では、これらの情勢変化を踏まえた新たな「連合ビジョンの策定」をはじめとして、働く者・生活者の視点に寄り添う政策の実現、「働き方改革」の実効性確保や、緊張感のある政治体制の確立──等、「残された課題(7項目)」を掲げ、向こう1年間の運動を強化するとしている。
来秋には30周年を迎えるナショナルセンター・連合が、どのような課題認識に立って、どのような運動・活動を進めようとするのか。全体での共有を要請しておきたい。
働き方改革関連法 より良い働き方めざす
その上で、先の第196通常国会で成立し、一部を除き来年4月1日の施行となる「働き方改革関連法」の具現化についてであるが、現状においては、先の国会審議において盛り込まれた多くの附帯決議(衆議院12、参議院47)を踏まえた関係省令・指針等の検討・論議が労働政策審議会(各分科会)で行われているところである。
1947年に施行され初の大改革となる労働基準法関連で言えば、(1)時間外労働の上限規制(2)中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予の廃止(3)年次有給休暇の取得促進──等が主な改正内容となるが、情報労連の対処方針等については、それらの内容を見極めた上で、遅滞なく提起していくこととする。
いずれにしても、今次改正の目的は、長時間労働に依存した企業文化や職場の風土を見直すこと、長時間労働を是正し過労死等ゼロの実現をめざす「働き方の改革」であって「働かせ方の改革」ではないこと、組合の有無にかかわらずすべての職場でより良い働き方を実現するために「36協定」の適切な締結をめざす社会運動であることを肝に銘じたい。