巻頭言2019.10

連合結成30周年

2019/10/15

連合結成30周年

結成(1989年11月21日)から30周年を迎える連合は、第16回定期大会(10月10〜11日)を開催する。“私たちが未来を変える〜安心社会に向けて〜”をスローガンとする向こう2年間の運動方針を決定するとともに、神津会長をトップとする執行体制の下で、新たな歴史を刻むこととなる。

今後は、全国47地方連合会で逐次定期大会が開催されるが、過日(9月18日)開催した情報労連・第2回人事委員会で確認した地方連合会への派遣予定の専従役員は、23人(会長7・副会長1・事務局長8・副事務局長7)。連合本部等への派遣(7人)を含めれば実に30人となっており、情報労連が、人的派遣を含め、連合運動の中心的役割を担っていることは論をまたない。

世界に目を転じれば、自国第一主義のまん延や保護主義の台頭による経済や安全保障を巡る対立が世界秩序を不安定なものとし、技術革新やグローバル化の進展が、情報や富の集中と貧困・格差・分断の拡大を増幅させる中にあって、日本においては、世界に類を見ない速さで進展する超少子高齢化・人口減少社会によって多くの社会的課題が顕在化しており、平成の30年を称して“思考停止の時代”とも言われるゆえんでもある。

このような中で、連合は、2035年を展望した『連合ビジョン』を策定したが、その基調としたものは“持続可能性”と“包摂性”。極めて重要な視点であると同時に『ナショナルセンター・連合』としての今後の具現化と見える化が訴求されることとなるが、積極的参画を含め主要産別の一員としての情報労連の役割を果たしたい。

先達の“ことば”をかみしめる…

さて、少々話はそれるが、連合が、5年前に策定した“記念誌・『語り継ぐ 連合運動の原点』”に掲載された故・山岸章初代連合会長(情報労連出身)の“労働界の長年の悲願が実を結び、800万連合の誕生に身が引き締まる想いだった”で始まる寄稿文の一部を紹介したい。

それには、結成当時の多くのエピソードとともに、次代を担う役員への叱咤激励(メッセージ)がつづられているが、日本がめざす姿においては、(1)四つの国家像(国際国家日本・平和国家日本・民主主義国家日本・福祉国家日本)を持て(2)国際社会での四つの共存関係(平和的共存・経済的共存・文化的共存・自然と人類の共存)を確立せよ(3)調和をめざす三つの社会的構築(国際化社会・高齢化社会・高度情報化社会)をめざせ──との指摘が。

また、運動をけん引するリーダーの姿として、(1)哲学を持て(2)人の意見をよく聞け(耳の痛い情報ほど傾聴せよ)(3)決断力を持て(4)自分のやったことに責任を持て(5)情実に流されるな(是は是・非は非)(6)運動の節目(節目を真剣勝負と心得よ)(7)経営側から畏敬されるリーダーになれ(8)マスコミを大切にせよ(9)不断に勉強せよ⑩健康であれ──との戒めが述べられている。

各組織が向こう2年間の運動をスタートさせるこの時期、それぞれの役員が、先達の“ことば”をかみしめたい。

野田 三七生 (のだ みなお) 情報労連中央執行委員長
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