2020春季生活闘争に向けて
2020春季生活闘争に向けて
第58回定期全国大会(基軸大会)から4カ月余、各構成組織の多くが新たな体制の下で、日々の活動にチャレンジしているところであり、試行錯誤の中、その活動は軌道に乗りつつある。
このような中で、中央本部は、「2020春季生活闘争方針」の策定時期を迎えており、第5回中央執行委員会(12月20日)では、『第50回中央委員会議案』として確認する。
産別・情報労連としての方針案を要約すれば、“すべての仲間の「総合労働環境(賃金・一時金・労働時間および労働関係法制を踏まえた環境整備等)の改善」をめざす取り組み”となるが、この方針は、2014春闘からの流れを踏襲し、連合が12月3日の第81回中央委員会で決定した「働く者の将来不安を払拭し、『経済の自律的成長』『社会の持続的成長』のための“人への投資”が不可欠であり、分配構造の転換をめざす」との方針を積極的に受け止めたものに他ならない。
とりわけ、2019春闘の総括において“不十分”とした“働き方を含めたサプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正配分”については、来春闘においても、最重点課題であり、月例賃金の改善はもとより、「長時間労働の是正」や「同一労働・同一賃金」にかかわる法改正等も念頭に、有期契約等労働者や中小企業で働く労働者の「底上げ」「底支え」「格差是正」をめざす春の闘いとしたい。
明年1月30日開催予定の『中央委員会』に向けた組織討議と、各構成組織での要求の確立に向けた組織的営みを要請しておきたい。
フランシスコ教皇の訪日と核兵器廃絶
さて、先月23日に訪日されたローマ・カトリック教会(世界の信者は約10億人)のフランシスコ教皇。
教皇としては、1981年のヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりとのことであるが、82歳の高齢にもかかわらず、4日間という訪問日程の中で精力的に日本各地を訪れ、多くのメッセージを発信していただいた。
穏やかな口調で語られる一つひとつの言葉は、私たちの心に響くものであったが、とりわけ、24日、被爆地(長崎・広島)からの「核兵器のない世界は実現可能。核兵器は国家の安全保障への脅威から私たちを守るものではない」との言葉は、世界の現状を憂い、各国における核兵器の保有と使用への警鐘を鳴らすものであった。
また、帰途の機内においては、核兵器の所有と使用について、“倫理違反であることをカトリックの『教理』に明記する”との意思が示されたとのこと(報道)。
今次訪日において、核兵器の抑止論を否定し、唯一の戦争被爆国としての役割発揮を求めた教皇の想いと、25日に会談で、これまでの政府方針(核兵器保有国と非核兵器保有国との橋渡し役を果たす)にとどまった安倍首相との発言との間に極めて大きなギャップがあることは言うまでもない。
現状、情報労連は、来春の『NPT再検討会議』に向け、連合が呼び掛けた『署名活動』を展開中である。核兵器の非人道性と世界の恒久平和を願う地球市民としての多くの声を届けたいものである。