巻頭言2020.10

菅政権の発足と新生「立憲民主党」の誕生

2020/10/14

菅政権の発足と新生「立憲民主党」の誕生

世界で拡大を続ける「新型コロナウイルス感染症」。罹患者と死者の数は、それぞれ3300万人・100万人(9月末現在)にも及び、至近の報道では、南アジアやアフリカ地域の感染爆発をはじめ、欧州における再拡大やロックダウン等の状況も伝えられている。

各国においては、「感染拡大の抑え込み」と「経済活動」の両立に向けた試行錯誤が続き、今後、冬季を迎え“第三波”が危惧される日本においても、適切かつスピード感を持った対応が訴求されるところであり、とりわけ、政治的リーダーシップの発揮は不可欠となる。

その意味において、“2020年9月の日本における政局”は、大きな“ターニングポイント”。

安倍首相の突然の退陣表明(8月28日)によって7年8カ月に及んだ『第2次安倍政権』は終焉し、菅義偉・第99代内閣総理大臣が誕生(9月16日召集の第202臨時国会)。その後の組閣を経て、前政権の継承を掲げた“菅政権”が船出した。

また、その前段(9月15日)では、150人の国会議員(衆議院107人・参議院43人)からなる『立憲民主党(略称:民主党)』が結党。枝野代表の下で新たな『野党第一党』もスタートを切ったところである。

“新・菅政権の誕生と同時期となった『立憲民主党』の結党は時代の要請”とは枝野代表の弁であるが、今日の難局を乗り越え、どんな“ポストコロナの社会”を創造しようとするのか、新たな布陣で臨む与野党の切磋琢磨に期待したい。

「立憲民主党」基軸に政治勢力の拡大へ

さて、菅政権誕生後の世論調査。報道各社は、歴代内閣との比較においても高位(第3位)の結果(60〜70%の支持率)を報じている。

突然の交代劇であったことや、たたき上げ・苦労人宰相──等のマスコミ報道、さらにはご祝儀相場等が反映したとの分析であるが、多くの国民が、菅政権を好意的に受け止め、とりわけ、女性の高い支持率(約7割)については、前政権との大きな相違点として注目しておきたい。

いずれにしても、今後のコロナ対策をはじめ、菅首相が繰り返す「国民のために働く内閣、縦割り行政や前例主義の打破、デジタル化の促進」等の具現化に向けたリーダーシップの発揮や、以降の政治・国会運営等について注視していきたい。

衆議院の任期も残すところ1年。コロナ禍の不確定要素はありつつも、菅政権への高い支持率を背景に、与党サイドの早期解散を求める声が強まる中で、現状においては、10月下旬の臨時国会召集とのこと。

いつ、いかなる事態にも即応できる体制整備を含め、第9回定例中央執行委員会(9月18日)では、情報労連としての「第49回衆議院議員選挙闘争方針」を意思統一したが、そのポイントは、(1)連合方針(連合は総体として、立憲民主党を支援し、一枚岩で対処していく)を踏まえ、「立憲民主党」を基軸とした政治勢力の拡大に向け闘いを展開する(2)組織内候補「たじま要(千葉県1区)」「岡本あきこ(宮城県1区)」の勝利を最大の戦略目標とする──の2点。

各組織・ブロック支部と連携をさらに強化し、取り組みを進めていく。

野田 三七生 (のだ みなお) 情報労連中央執行委員長
巻頭言
特集
トピックス
常見陽平のはたらく道
ビストロパパレシピ
渋谷龍一のドラゴンノート
バックナンバー