"情報労連らしい運動"の
継承・創造に期待
未来志向に立った意見集約を
基軸大会(人事大会)である第60回定期全国大会(7月8日)を目前にする情報労連。一昨年夏の大会において、向こう2年間の運動を負託された各組織の執行部にとっては、次期体制へとバトンを渡す“総仕上げ”の時期を迎えている。
ただ、この6月は、強化月間と位置付けた“労働安全衛生”や“ダイバーシティの推進”にかかわる活動の実践をはじめとして、「情報労連平和四行動」のスタートとなる“沖縄ピースすてーじ”や、“竹井ようこ組織内候補の必勝を期す東京都議会議員選挙”──等など、極めて重要な取り組みのただ中にある。
次代につなぐ意味においても結果と成果が求められる取り組みであり、まずは各組織における“もうひと踏ん張り”をお願いしたい。
その上で、中央本部は、すでに大会議案を提示し、各組織における組織討議を要請しているところであるが、コロナ禍に翻弄されたこの2年間の運動・活動を振り返り、大会に向けては、“産別・情報労連”としての現状認識とともに、次期“中期運動方針”の理解促進、さらには未来志向に立った意見集約についても要請しておきたい。
“情報労連らしい運動”の継承・創造に期待
さて、この2年間のトピックは、何といってもパンデミックと化した“新型コロナウイルス”。未知のウイルスは、世界の経済・社会、ひいては私たちの日々の暮らしや働き方に至るまで甚大な影響をもたらし、今この時も進化の途上にあるが、世界では欧米を中心にワクチン接種が進み“Afterコロナ”の兆しが見られるものの、変異株が急増する中、予断を許さない緊迫した状況が続いている。
そして、日本。ようやくにして医療従事者や高齢者へのワクチン接種がスタートした段階。“緊急事態宣言”や、“まん延防止等重点措置”が継続される中、『2020東京オリンピック・パラリンピック』の開催についても決断の時期が迫っている。
元内閣官房参与の“日本はこの程度の『さざ波』これで五輪中止とかいうと笑笑”との現状認識には驚くばかりである。今日の感染状況や医療体制の逼迫、さらには、日本への渡航規制を“中止勧告”へと強化している海外の動き、そして何よりも一日も早いAfterコロナの実現を考慮すれば、“中止”の選択肢を残すことは至極当然なことであり、開催地として、エビデンスに基づく賢明な判断を切望したい。
いずれにしても、コロナ禍によって鮮明化・深刻化した貧困・格差・分断は、ポストコロナの社会においての最優先課題であると同時に、労働組合の役割発揮が求められるテーマ。そして、その際のキーワードは“多様性” “持続可能性” “包摂性”。
情報労連は、明年、結成から60年という節目の年を迎えるが、来る第60回定期全国大会で選出される新たな執行体制の下での果敢なる挑戦と、この2年間の試練と教訓を糧とした“情報労連らしい運動”の継承・創造に期待しつつ、専従での中央執行委員長を拝命(2017年)以降、4年間担当させていただいた「巻頭言 “D3〜そして未来へ”」を閉じたい。