国内外の情勢から
平和を見つめ直す
自由や民主主義、人権から考える組合員の子どもたちに
核兵器の恐ろしさを語り継ぐ
通信建設企業の労働組合でつくる「通建連合」(組合員数約1万8000人)は、組合員の子どもたちに広島・長崎に来てもらい、原爆被害の実相などを学んでもらう、「ピースフリッパー」という活動を展開している。
もとは通建連合の加盟組織の自主的な取り組みだったが、2009年からは通建連合が主催して取り組むようになった。2009年の参加組織数は5組織、参加した子どもは20人。それが2018年には9組織、45人までに広がった。
「ピースフリッパー」は、2泊3日の日程。その中で、語り部の話を聞いたり、原爆被爆遺構を巡ったりして、核兵器の恐ろしさなどを学んでもらっている。参加した子どもたちの感想文には、「戦争は二度とおきてほしくない」「核兵器を減らしていきたい」という言葉とともに、「周りの人たちに伝えていきたい」という言葉が並ぶ。通建連合の小勝副議長は、「旅行に行って楽しかったというだけではなく、それぞれに平和の大切さを感じ取ってもらっている」と話す。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止。今年も現地での活動を見送った。その代わりにオンラインで「平和学習会」を開催し、親子で17組、総勢68人が参加した。学習会の中では、広島・長崎・沖縄からのライブ中継も行った。小勝副議長は、「現地に行けないのは残念だが、オンラインにしたことで参加しやすくなった側面もある。今後もオンラインを活用しながら、平和運動を強化していきたい」と話す。
「ピースフリッパー」の願いは、「核兵器の恐ろしさや戦争の悲惨さについて学び、平和の大切さを次の世代を担う子どもたちへつなげていくこと」。コロナ禍で移動が制限されるなど、難しい状況はあるが、「次の世代に語り継いでいくという思いはブレずに活動を続けていきたい」と小勝副議長は強調する。草の根の活動が、日本の平和運動を支えている。