衆参補選と
第212臨時国会
10月22日投開票で参院徳島・高知選挙区、衆院長崎4区の2つの補欠選挙が行われた。
四国ブロック支部・徳島・高知県協、九州ブロック支部・長崎県協ならびに加盟組合の皆さんのご尽力に敬意と感謝を申し上げる。
今回の補選は、岸田政権の国会運営と政策評価が問われるとともに、今後の解散総選挙の行方を左右する重要な選挙となった。また、与野党一騎打ちとなったことから、野党共闘の成果が試される選挙ともなった。
岸田首相は、内閣改造・党役員人事を刷新して臨んだ選挙であったが、結果は、徳島・高知選挙区では、野党系無所属・広田候補が、自民党公認候補に大差をつけて圧勝した。長崎4区では、立憲民主党公認・末次候補が自民党公認候補を猛烈に追いあげたものの惜しくも敗れた。
2勝は逃したものの、どちらも元は自民党議員が有していた議席であり、野党が一本化した成果と言える。今回の野党共闘を生かして次期解散総選挙に臨むべきだろう。
その前段にあった東京都議選の立川市選挙区補選でも自民党候補者は敗れており、いずれの選挙においても現政権与党の運営に、有権者の厳しい態度が示された結果といえる。
迷走する岸田政権
さて、第212臨時国会が、10月20日に開会した。12月13日までの会期となり、本誌の届くころには、後半国会での論議が行われているだろう。今国会の最大の焦点は、物価高への対応を柱とする経済対策である。
しかし、最近の内閣支持率の低下が示すとおり、岸田政権のこれまでの政権運営は、場当たり的であり、一貫性に欠け、何をやりたいのか、どのような国へ針路を進めようとしているのか、まったく判明しない。今国会においても、矛盾した政策をさらけ出している。税収増を国民へ還元するとして、突然、物価高対策として、所得税減税を打ち出した。実施は、早くても来年6月以降だと伝えられている。政権は、昨年末、軍拡増税を決め、所得税も増税の方針になっている。軍拡増税の実施時期は、明確にしていないものの、増税が待ち構えている状況で、減税を実施しても経済効果は薄いと専門家からも言われている。場当たり的で安直な対応と言わざるを得ない。選挙に向けた支持回復をもくろんだ「ばらまき」といえる。野党からの追及でも岸田首相からは毎度ながらはぐらかし答弁が目立ち、正面から国会論戦が尽くされていない。
生活者は日常の中で物価高騰を目の当りにしている。今やらなければならないのは、物価高騰で真に困っている人たちへの緊急対策である。低所得者の人や原材料価格の高騰で苦しむ中小企業の人たちへの対応である。政治は、厳しい財政を踏まえ、防衛費の大幅増などはいったん白紙に戻し、緊急的な対策と少子化のような待ったなしの根幹的な対策を見極め、時宜にかない、中長期的視点で優先する政策を進めるべきだ。
一方、補選では、1勝1敗となったものの、私たちが応援する立憲民主党を中心とする野党の低迷も続いている。勤労者・生活者・納税者・社会的弱者の人たちに目線を向けた政治は、今ほど必要な時はない。今国会では、ちぐはぐだらけの現政権与党の政策を正し、しっかり共闘を組んで、私たちが望む政治の実現を求める。