巻頭言 UNITE2024.06

「2024平和四行動」がスタート

2024/06/12

政治情勢

執筆時点で、第213通常国会は、6月23日の会期末に向け、大詰めを迎えている。自民党派閥の「裏金事件」を受けた「政治とカネ」の問題は、十分な真相解明もなされないまま、大きな争点と対立になっている「政治資金規正法改正案」の審議が始まっている。自民党改正案からは、透明性も再発防止も程遠い内容であり、自ら招いた国民の政治不信に真摯に向き合っているとはとても言えない。

4月28日に行われた三つの衆議院補欠選挙では、自民党は島根1区のみで候補者を擁立したものの、「自民王国」と言われる選挙区で議席を失い、二つの不戦敗を含め全敗した。その一方で立憲民主党候補は3選挙すべてを制した。ご尽力いただいた当該ブロック支部・県協、加盟組合の皆さんに感謝申し上げる。立憲民主党には、この結果におごることなく、自力をつけ、次期衆議院選挙、参議院選挙につなげていただきたい。

「創り育てる平和」

さて、情報労連の「創り育てる平和」の象徴的な取り組みである「2024平和四行動」が、6月から始まった。

世界を見渡せば、戦争・紛争は後を絶たず、子どもを含め数え切れない一般人が犠牲になっている。ロシアのウクライナ侵攻から始まった戦争は2年半がたち、終息は見通せない。パレスチナ・ガザ地区でのイスラエルによる攻撃は、多くの一般市民が殺害され、人道危機に陥っている。ミャンマーでは、軍事クーデターから3年以上が経過したが、軍の暴政により民主主義が否定され、攻撃と弾圧により犠牲者は増える一方である。国際社会が協力して事態を解決していかなければならない。

日本においては、こうした軍事的緊張の高まりなどから、防衛費の大幅増、南西諸島への自衛隊増配備、米軍と自衛隊との一体の進行、戦後一貫して守ってきた殺傷能力の武器輸出など、安全保障政策を大転換し、憲法の平和主義を空洞化させる政策が、国会論議も国民への十分な説明もないまま、現政権与党は進めている。こうした動きに残念ながら多くの国民の関心は低いと見受けられる。例えにある「ゆでガエル現象」に陥り、いつの間にか、手遅れになってしまい、再び戦争ができる国になってしまうのではないかと危惧する。

情報労連は、世界の恒久平和を希求し、今年の「平和四行動」を中心とした平和運動を強化していく。6月23〜25日の「沖縄ピースすてーじ」、8月4〜6日「広島ピースフォーラム」、8月7〜9日「長崎平和フォーラム」、9月7〜8日「北方領土返還要求平和行動in根室」での現地行動を予定する。

現地の行動を通じて、「戦争の悲惨さ」「命の尊さ」を「見て・聞いて・感じて」、家族や職場の同僚、友人などに伝え、広げていく取り組みとしたい。平和四行動への積極的な参加・参画を期待する。

そして、政治の動きに目を向け、平和を築くためには何をするべきか、一人ひとり思考し、主権者として積極的に政治参加していただきたい。

今を生きる者として、次の世代へ平和な世界を手渡す責任がある。

安藤 京一 (あんどう きょういち) 情報労連 中央執行委員長
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