巻頭言2020.05

新型コロナウイルス感染症への対応

2020/05/15

コロナ対策加盟組合支援を強化

この状況はいつまで続くのだろうか。今この瞬間も増殖を続けるウイルスは、多くの人命と日常を奪い、私たちに幾多の試練を強いている。

先月号(新型コロナウイルスへの対応)では3月30日時点の状況(世界の感染者70万人・死者3.4万人)に触れたが、1カ月が経過(4月27日)した今、感染者数は約4倍(290万人)、そして、死者は約6倍(21万人)にも及んでおり、残念ながら“感染爆発”の実相を認めざるを得ない厳しい局面に立ち至っている。

日本の状況も言わずもがな。現時点(4月30日)の感染者数は、1万3929人・死者415人)で、PCR検査の拡大とともに、市中感染・家族感染・院内感染・クラスター感染による感染者数は増加の一途であり、政府が5月6日までとしている“緊急事態宣言”の期間延伸は不可避な情勢となっている(※編集部注:政府は5月4日、緊急事態宣言を5月31日まで延長することを決めた)。

世界がパンデミックに直面し、閉塞感と脱力感に包まれる今、“地球市民”としての行動と言動を肝に銘じつつ、例年であれば絶好の行楽シーズン(大型連休)での“三密(密閉・密集・密接)の回避”と“Stay・Home”が、見えざる敵の封じ込めにつながる契機となることを念じたい。

その上で、情報労連には、医療の最前線でウイルスと闘っている皆さんや、通信インフラの確保等、日本の経済・社会・国民生活を支える多くの仲間が存在する。使命感を持って献身的貢献をいただいていることに深甚の敬意と感謝を申し上げたい。

この間、中央本部は、各加盟組合・ブロック支部・福祉団体等との連携を密に、感染状況の把握をはじめ、感染防止対策の強化や雇用・生活維持にかかわる公的支援の周知、さらには、関係医療機関に対する物資支援等にも対処してきたところであるが、今後に向けては、さらなる厳しさが想定される中小組合への支援等を含め、『産別・情報労連』としての役割を果たしていく決意であり、付言しておきたい。

「ポスト・コロナ」も見据えた運動を

さて、感染拡大が加速する中、情報労連における専門会議や機関会議等については、Web会議とし、『全国環境一斉行動(5月)』や平和四行動のスタートとなる『沖縄ピースすてーじ(6月)』をはじめとする諸活動については中止・延期を原則に対処しているところであるが、このような中で、『第59回定期全国大会(6月4日)』については、“書面決議”による開催とした。

スローガン(案)は、『〜3Dそして未来へ〜 情報労連に集う仲間の英知を結集し、新たな価値の創造による生き生きと暮らし働くことのできる“明るい次代”を切り拓こう!』とした。これは、長期化が想定されるウイルスとの闘いはもとより、ポスト・コロナをも見据えた労働運動、そして、私たちの暮らしや働き方における行動変容を意識したものである。

大会では、前段(5月中旬)に送付する「意見に対する本部見解」「委員長あいさつ」「書記長報告・提案」を含め代議員各位の賛・否(メールでの返信)を求めることになるが、今日の難局を乗り越え、未来を切り拓く覚悟と決意の共有を要請しておきたい。

野田 三七生 (のだ みなお) 情報労連中央執行委員長
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