トピックス2020.05

新型コロナウイルス感染症に対する情報労連の対応命と生活、雇用を守るべく
組織が一丸となった取り組みを展開

2020/05/15
新型コロナウイルス感染症は、爆発的な感染拡大により全世界の経済・社会に未曽有の混乱をもたらしている。リーマン・ショック(2008年)を上回り、戦後最大の経済・金融危機になるともいわれる中、情報労連としても事態を深刻に受け止めつつ、各種対応を行ってきた。この間の取り組みを報告する。
水野 和人 情報労連
組織対策局長

情報労連各加盟組合への影響

情報通信分野の各キャリアは、『改正新型インフルエンザ等対策特別措置法』で、指定公共機関に位置付けられている。外出自粛要請に伴うテレワークなどの需要が高まる中、各社では、感染防止対策の徹底を図りつつ、安定的な通信確保等に向けた業務継続や社会インフラの維持に取り組んでおり、とりわけ、通信建設工事現場における感染防止・安全確保については、お客さまの各段のご理解を賜りたい。

一方、複合産別である情報労連では、以下の通り、外出自粛要請や一斉休校等により事業・雇用に大きな影響を受けている現状にある。

(1)観光業:外出自粛要請が強まる3月以降の各種イベント・旅行などが軒並みキャンセルとなり一部休業状態に陥っている。

(2)日本語学校:一斉休校要請ならびに外国人の入国制限の影響により新学期以降の講座が開講できず一部非正規講師の雇い止め等も懸念。また、在校生向けのWeb授業を開始するも教師・生徒とも通信量の負担が大きくなっている。

(3)医療:医療従事者の感染リスクが高まる中、使命感を持って懸命に闘っているが、防護服やマスク等の医療器材不足や要員確保が深刻な課題となっている。

(4)製造:中国をはじめとする国外からの資材調達の遅れや納品先の操業停止等に伴い、一部組織では休業を余儀なくされている。

(5)その他:公営競技・プロスポーツ等の施設運営・企画等をしている組織では、無観客試合・競技が中止となるほか、飲食業や印刷業、タクシー等、広範多岐にわたる分野において、大きな影響を受けている。

連合の対応

連合本部は、各構成組織での影響等の把握を行うとともに、電話やSNS等を通じた各種労働相談を展開、寄せられた相談内容については、Q&Aとして各構成組織へ展開し各組織における相談対応の強化を図っている。

また、働く者・生活者の立場から政府・各政党に対し緊急要請を実施し、小中高校等の臨時休校に伴う対応およびサプライチェーン全体の維持・確保などを求めてきた。とりわけ、3月27日には、(1)経済対策(生活確保・事業継続のための緊急措置、需要急減への対応等)(2)雇用対策(雇用維持の支援、雇止め・内定取り消しの防止、労働時間・安全衛生の強化等)(3)生活支援対策(失職者等に対する生活支援強化、感染拡大防止対策・母子保健対策の強化、医療・福祉・介護等サービス提供体制の確保対策の強化等)をはじめとする「新型コロナウイルス感染症拡大に対する総合的対策について(緊急提言)」をまとめ、政府・政党に要請している。

情報労連の対応

情報労連としても、この間、各組織ならびに福祉事業体との連絡体制を確立した上で、各組織に対しては、会社側とも連携した感染防止対策の徹底ならびに操業停止・営業自粛・臨時休校等に伴う雇用への影響等の対応を要請してきた。その際、各組織における労使対応に資するべく、政府・連合等による緊急支援策や労働相談Q&A等の情報を随時、共有するとともに、雇用調整助成金等の申請に向けた支援等も行っている。

また、新型コロナウイルス感染症の最前線で医療に従事している加盟組織に対しては、マスク等の物資支援を行う等、各ブロック支部・県協との連携により具体的支援も行っている。

日に日に感染確認が報告される今日時点(4月末)では、事態の鎮静化を見通すことは困難だが、情報労連としても引き続き、具体的な支援ならびに連合・組織内国会議員等を通じた政府・政党等への緊急要請等、労働組合としての役割発揮に努めていく。

最後に

今回の事態は、これまで経験したことのないほど、広範かつ長期にわたる影響が懸念される。労働組合として、通信・医療を含め社会インフラを支える仲間はもとより、すべての組合員の命と生活、雇用を守るべく、職場の不安解消に向け組織が一丸となった最大限の取り組みを展開したい。

その際、役職員の自宅待機や在宅勤務等、各組織や組合員との接点が限られる中で、コミュニケーションを基軸とした活動の担保が大きな課題となっていることからも、IT技術の活用を含めたコミュニケーションの強化にも取り組み組合員の負託に応えることとしたい。

連合が実施した緊急労働相談(3月)
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