トピックス2024.08-09

情報労連組織内議員 国政報告会自民「一強」でゆるみとおごり
政治には緊張感とバランスが必要
今こそ政治を変える時

2024/08/19
情報労連は7月3日、組織内議員4人による国政報告会を開いた。自民党の裏金問題で揺れた通常国会。組織内議員はそれぞれの分野で活動した。

主催者あいさつ

組合員の生活・仕事を
守るため
組織内議員を国会へ

安藤 京一 情報労連
中央執行委員長

6月に閉会した通常国会では、自民党政治の劣化が露呈し、政治への不信が増幅された。その意味で歴史に残る国会になった。国会では、自民党の裏金事件に端を発し、「政治とカネ」にまつわる激しい議論が続いたが、真相解明に至っておらず、再発防止も抜け穴だらけの政治資金規正法が数の力で成立してしまった。法律違反をしてもおとがめなしという国民を愚弄した政治を許すわけにはいかない。

その国会で生活に直結する法案が成立した。改正地方自治法は地方分権に逆行する内容であり、入管法は人権侵害の恐れもある。とりわけ次期戦闘機の輸出解禁は、与党の閣議決定だけで決まってしまった。憲法の平和主義に反する恐れがあることを、与党が審議も不十分に決めてしまうことに強い危機感を抱く。

この政治を変えるのは選挙しかない。私たちが組織内議員を国会に送るのは、組合員の生活と仕事を守るためである。情報労連の組織内議員はこのことを組合員にしっかり訴えてほしい。衆参二つの選挙に勝利し、今こそ政治を変えていこう。


報告(1)

再生可能エネルギーの推進
通信インフラの強化を訴える

たじま 要 衆議院議員

経済産業委員会では、水素社会を実現する法案やCO2を地中に埋め戻すCCSに関する法案を議論した。エネルギーに関する新しい技術に関しては、反対するものではなく、賛成したが、税金を使うことなのでしっかり注視していきたい。再生可能エネルギー分野では、メガソーラーの開発に伴う環境破壊が問題になっている。こうした問題に対応する一方、日本は再生可能エネルギーの取り組みが遅れているため、良質な再生可能エネルギーを推進していきたい。

エネルギー分野以外では、障害者の移動の権利に関して、とりわけ精神障害者の公共交通の割引制度を取り上げた。インクルーシブ社会の推進に努力していきたい。

総務委員会では、1月の能登半島地震を受けて、災害時の通信インフラのバックアップや冗長性の強化に向けて国がしっかり財政支援をすべきだと訴えた。平時からしっかりと備える、そして命が守られる国づくりのために引き続き頑張っていきたい。


報告(2)

子ども・子育て支援に注力
多様な人の参加が
政治を変える

岡本 あき子 衆議院議員

総務委員会では政治資金規正法に関して議論した。収支報告書への未記載は法律違反であり、自民党はそれを組織的に行っていたにもかかわらず、役職に就いていない議員が逮捕されるだけにとどまった。責任者は、真相を何一つ話しておらず、責任も取っていない。内閣がひっくり返ってもおかしくない事態。政権交代に向けて立憲民主党が中心的な役割を果たしていきたい。

総務委員会ではNTT法の改正案も議論した。来年に向けてユニバーサルサービスのあり方も議論することになる。皆さんと情報を共有しながら取り組んでいきたい。また、能動的サイバー防衛に関しては通信の秘密との整合性を踏まえ議論していきたい。

地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会では、子ども・子育て支援法の改正案や日本版DBSを議論した。育休を取りやすくしたり、男性の育休中の所得保障を強化したりした。不妊治療もしっかり支えていきたい。

子どもに関しては、立憲民主党が一番真剣に考えている政党だと自負している。20年前の仙台市議会時代、働いている女性がいるから保育園が必要になるとやじを飛ばされた。それ以来、そうした意識を変えるのが政治使命だと思い活動してきた。さまざまな当事者が声を出すことが政治を変える起点になると考えている。多様な人が政治にかかわれるよう、皆さんと一緒に歩んでいきたい。


報告(3)

技能実習生見直しで対案提示
学校教育のICT利活用も推進

石橋 みちひろ 参議院議員

3点に絞って今国会で力を入れてきたことを報告したい。

1点目は、立憲民主党の参議院国会対策委員長の筆頭代理として、国会対策の最前線で奮闘したこと。同時に予算委員会の筆頭理事を2年連続で務めた。3月には予算委員会で2度、岸田総理に質問した。今国会の最大の焦点は、「自民党とカネ」の問題だったが、岸田総理をはじめ自民党は説明責任を果たそうとしなかった。引き続き国会対策にしっかり取り組む決意を申し上げたい。

2点目は、技能実習制度の見直しを含む改正入管法の議論だ。技能実習制度は世界から現代の奴隷制度だと強く批判されてきた。制度を見直さなければ日本は選ばれない国になってしまうという強い危機感で臨んだ。政府案では問題を解決できないという思いから、3年以上かけてつくった対案を準備して政府案にぶつけた。数の力で押し通されてしまったが、私たちの対案の方が本来あるべき姿だと考えている。今後も私たちの法案をベースに、チェック機能を果たしていく。また、労働法制の見直しに関しても、皆さんと連携して対応してきたい。

3点目は、学校教育におけるICT利活用の推進だ。「GIGAスクール構想」は、始まってから3年以上が経過し、「NEXT GIGA」へ向けて動き出している。端末の更新や格差の解消に向けて4000億円の補正予算が組まれた。今後も超党派議連を中心に子どもたちの学びを支えていきたい。


報告(4)

参議院で初の政倫審開催
緊張感ある政治の実現が必要

吉川 さおり 参議院議員

これまでの議員活動では、総務委員会と議院運営委員会に長く所属してきた。議院運営委員会の関連では、旧優生保護法に関する違憲判決が出た。国会では下級審で違憲判決が出た場合、上訴するかどうか議論することができる。この裁判に関しても上告を諦めて被害者救済をすべきという議論があったが、結果的に最高裁判決が出るに至った。法律をつくる仕事の重みを感じた。

総務委員会ではNTT法改正の議論があった。今後の論点は、国際競争力の強化と公正な競争の担保、ユニバーサルサービスの提供責務のあり方になる。ブロードバンドやモバイルとの組み合わせなど、公正な競争のあり方を含めて、働く仲間の皆さんへの影響も見渡した上で議論していく必要がある。また、能動的サイバー防御に関しては憲法の通信の秘密と密接に関係するため、法律のたてつけも含めてバランスの取れた議論をしていきたい。

今国会では、参議院で初めて政治倫理審査会が開催された。その筆頭幹事を務めた。政治資金規正法は、昭和20年代にできた法律で、政治腐敗を防ぐために政治資金の公開性を高めることを主眼につくられた。にもかかわらず、自民党は最大派閥を中心に組織的、継続的に資金の出入りがわからない状態を続けた。

説明責任があるにもかかわらず、参議院の政治倫理審査会には3人しか出席しなかった。自民党の「一強」状態にはやはり問題がある。政治には緊張とバランスが必要だ。与党が大きすぎるとゆるみやおごりが生じる。緊張感ある政治を実現するために立憲民主党が役割を果たす必要がある。働く人、弱い立場の人など多様な声を国会に届けるための政治に取り組んでいきたい。

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