渋谷龍一のドラゴンノート2020.06

【第4編】パートナー~そろそろ「オトコ社会」 に気付きましたか~女性活躍

2020/06/12

喧伝されてきた女性活躍「社会」ですが、ほとんど女性活躍「会社」の話になっています。女性活躍社会の話に戻さなくてはなりません。「わが家」の女性活躍の話をすれば、女性が会社で活躍したらどうして女性が輝く社会になるのかの説明がないことに気が付きます。

「女性でも」「女性だって」と下から上へ引き上げるような言い方を聞きます。「女性ならではの発想や経験を生かした企画こそ」という声もあります。

今まで以上のポジションを得たり、もっと重要な仕事に取り組んだりすることで女性が輝き、家庭に帰ってからも輝いて、という筋書きがわが家で現実味があるかどうかです。パートナー(男性)はそれでよいと考え、あなた(女性)はそうは思わない。なぜでしょう。「男性でも」「男性ならでは」という男性活躍の話を聞いたことがないからです。

わが家の主役はパートナー。仕事に集中します。家事育児介護をやるのはあなた。そこから会社でも働けと言われ、今度は管理職になれ、と言われるのです。そんなスーパーウーマンにはなれません。やれるよう工夫し、やりくりできるところで手を打ちます。会社も制度を整えてやらせようとします。今まで以上にしんどくなったところへ「輝け」と言われるのです。

わが家で考えるべきは、本当にあなたが会社で活躍することなのでしょうか。もしそれは違うというのなら、あなたは何を考え、何をすべきなのでしょうか。

コロナ禍で、虚像だった女性活躍イメージ戦略は止まっています。同時にわが家の見えなかったところをえぐりはじめています。学校休業で買い物や食事など家事や育児の負担は膨れ上がっているのに、自宅待機やリモート勤務で仕事を続けるパートナー。家庭に軸足のある非正規女性は収入減や失職。コロナに端を発する夫婦げんかで妻死亡のニュースが飛び込んできました。

日本全体でコロナが終息して元通りの社会になることを願っていますが、あなたは何もかも元通りに収まるつもりですか。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
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