渋谷龍一のドラゴンノート2021.01-02

【第4編】パートナー〜そろそろ「オトコ社会」に気付きましたか〜女性たちのホンネ

2021/01/15

仕事柄女性たちの話を聞くことが多いのですが、機会を見つけては男性に対するホンネを聞くことにしています。女性は口を揃えて、日常生活の些細なことから、男女の扱いに対する不快感が抑えきれなくなることが多過ぎると言います。

例えば、有名人の不倫騒動があれば女性側が謝罪する場面ばかりが報道されるのが気になってしょうがない。ダブル不倫の場合も、なかなか男性は登場してこない。たたかれるのは女性の方です。そういえば、芸能人の子どもが何かやらかしたら、父親ではなく母親が出てきて謝罪しまくります。男性が謝罪しはじめる時は、末期的で容赦のない断罪の場になります。もう引退です。

女性たちは、女性や母親の役割の型にはめられて、女性ばかりがたたかれることを痛感し、ひどい「オトコ社会」であることを見抜いているのです。男性は別に困っていないので、そういう視点は持っていません。

では、改めて女性の視点で次から次へと発生する事件をみたらどうなるのか。わかりやすいのはセクハラ事件です。加害者男性は、怒ったりごまかそうとしたり、でっちあげだ、名乗り出ろとか、犯罪じゃない、とか。被害者女性は必ず二次被害を受けます。女性によるセクハラもあるよ、と付け加えるのを忘れません。むごいマタハラ裁判に対する原告含め女性たちの違和感、憤りは判決や被告だけに向けられているわけではありません。

女性たちのホンネから二つのメッセージを読み取ることができます。一つは、一番簡単に集約すると、「男はバカだから」「男って子どもだから」(念のため、子どもがバカだと言っているのではありません)ということです。もう一つは、女性は加害者男性を特別視していないことです。犯人は特殊な人間ではなく、どこにでもいる男の仕業で、男なら当然しそうなことだと言いたいわけです。

この二つの共通点をしっかり考える必要があります。特に、「バカで子ども」、という洞察にヒントがあります。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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