【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜ジェンダー規範2
ジェンダー規範は、子どもの頃からいろいろな時期や場所で押し寄せてきて、ほとんどの人が大人になった時には受け入れています。気付いていたはずなのに、注意していたのに、どうしてでしょう。なかったことにされ、あったとしても問題ないよ、そんなのフツーだよ、と言われます。やっかいです。
あなたの子育てによっては、次世代も女性が生きづらい社会のままであるのは間違いありません。いや、そうはさせない、とジェンダーフリーのまま次世代に送り出します? 家庭内の小さなことのようでいて、国家の将来にかかわる大プロジェクトです。小さな抵抗ではすまないですよ。
それでも、何もしないのなら、男の子は男の子らしく、そのうちその男の子は、男が男であるために、などと言い出します。弱音を吐かず最後まで無理をやり遂げるのが男だと本気で言う人がいます。はい、無知で子どもの日本男性一丁あがり!(44話、45話)
あなたは、生きづらくない世界に子どもを取り戻すのは大変だ、と決心する必要があります。子どもはまだそうなっていません。父親や母親のことを見ています。『女の子は学校でつくられる』という名著がありますが、無知は家と学校とメディアとSNSでつくられる、でしょう。それを避けるなら、わが家で何とかするしかないではありませんか。社会の動きを知り、そこから距離をとる勇気がほしい。
子どもには、ことあるごとに身近なところから、ジェンダーフリーな体験をさせておきましょう。すぐに意識改革だと言われるわけですが、人間は困っていないのに考えを変えたりしません。例えば、料理、掃除、洗濯など、子どもの身の回りであなたがやっていることは、男女かかわらずできる限りやってもらいましょう。そんなのいつでもできるよ、ではなく、できるかできないか、です。すると、すぐに抵抗勢力が出てきますが、子育ての原則を思い出して。子どもの生きる力を奪わないで! ファイト!
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。