渋谷龍一のドラゴンノート2022.12

【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜女の子と男の子

2022/12/14

あなたはこれまで、男の子の話ばかりだなあ、と思ったはずです。よいところに気づきましたね。男の子は、放置すれば男性優位社会の仲間入りをする候補者なんですもん。ゲタを履かされない女の子は無知で子どもにはならないですから。

男の子を不用意、不必要に持ち上げたり、過剰にケアしたりするのをよしとしないようにしましょう。一人っ子でも、兄弟姉妹がいてもゲタを履かせない。そうなると、男の子は気付きます。他の家と違うぞ、と。とても不安になるかもです。その不安をうまく取り除くのが、がんばりどころです。

子育て三原則の一つとして、社会とほどほどの距離をとれ、と言いました。問題はむしろ、あなたがこの社会から距離をとるべきかどうか腑に落ちているかです。女性のあなたが嫌な目にあってきた社会をもっと増長させますか。わが家では進めないでおこうと思えますか。

女の子はどうしますか。男の子ほどやるべきことはありません。しかし、女の子もそこへ導く同調圧力に浸っているうちに、これはおかしい、と気付いてしんどくなります。その「しんどさ」の原因が何かなかなか気付かない女性も多いものです。

何かが起きて後から気付くわけですが、どうして最初から教えてくれなかったのか、と言われます。人それぞれだから、子どもに押し付けたくない、自分で気付け、と言いたくなるところです。

それらは切り取れば、みな正しいのですが、ごまかすのはやめましょう。しっかり理解してから、考えてもらうのは、押し付けでありませんし、それが本当の「人それぞれ」でしょう。

男の子はどうするか、女の子はどうするか? これを逐一考えながら子育てに臨んでください。

えっ、そんなのもう男女のことを差別しちゃいけないんだよ、と思いました? 安直だなあ。それはそれで問題なのです。すでに強力に女性を差別する国に住んでいるんですよ。掛け声ではなく現状から出発しないとね。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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