【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜女の子をどうする
女性のキャリアコースはずいぶん変わってきていますが、家庭内での子育ては相変わらず母親がほとんど担っています。子育ては他人はやってくれませんし、むしろ家庭内に入ってきてほしくない気持ちはわかります。それなら、望むところでしょう。同調圧力に負けないよう社会と多少の距離を取って、自分で勉強しなければなりません。
さっそくですが、女の子の働き方から少し離れて、そもそも女の子の将来の暮らし方、生き方をどう考えたらよいのか。近年、子ども向けの良書が増えています。その中から女の子向けの本の一例を挙げると、上野千鶴子さんの『女の子はどう生きるか』(岩波書店)があります。
女の子に、「おもしろく生きよう」とじっくり励ます本です。おもしろい生き方かどうかは、世間に合わせることではありません。知っておくべきことを知り、それを知らない人から自分を守ったり、世の中はそういうもんだ、と言うその人よりも、正しい行動がとれる自由を実感できるかどうかです。
「あーあ、まだそんなことになっているんだ」と嘆きながら、自由のない人たちの罪を軽快に教える本です。女子学生、呼び名、進路、お墓、年金、姓、介護、彼氏、結婚、痴漢、選挙、就職、などに関する女の子の疑問に答える形式で、世の中で常識とされてきたことを女の子に、改めて考えてみてね、と促しています。女性の生きづらさに気付いてもらおうというわけです。
女の子といっても想定されている年齢層が少し高めなのが気になるって? だから薦めているんですよ。女の子に直接語る本ですが、もっと幼い子どものいる親が読むべきでしょう。もう少し大きくなったら、こういう本を読ませられることを想定してほしいからです。
上野さんの本の内容を全否定するような女の子にしてしまうのかどうか。先取りして考えてみてください。わが家では小さいうちから女の子をどうすべきかのヒントが見えてくるはずです。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。