渋谷龍一のドラゴンノート2024.01-02

【第7編】労働組合〜ジェンダーギャップ最劣悪国でどうしますか〜F型と労働組合

2024/01/17

そう。メンバーシップ型雇用(MS)からジョブ型雇用(JB)への変革というより、F型をどうにかしないとまずい、というわけです。その主体は労働者たちだと考えると、労働者の集団である労働組合に期待が集まるのは当然です。では、労組はF型に対してどんな取り組みをしているのか?

例えば、連合はこれまで大がかりな外部評価を入れたり、ビジョンを発表したりして、女性や若者、高齢者など大企業の男性正社員ではない労働者向けに組織や活動をつくり変えることを表明してきました。構成組織、地方組織や単組などはそれにならって活動しています。しかし、職場の実感として、大企業男性正社員主義が改まった形跡は見られません。

男女平等、女性活躍、同一賃金、最低賃金、非正社員の組織化などさまざまな方針と実践が積み重ねられていますが、M型とF型を見通した議論が欠けているようです。職場の話だけで終わらせないで、帰宅した家庭での男女こそを問題すべきでしょう。

労組は女性組合員を増やしたり女性役員の配置を充実させて女性の参加率を上げようとしています。でも、それでF型は変わるのでしょうか。労働法制から攻めるにしても、めざしている労働法によってF型はどうなるのでしょうか。

男性正社員主義の労組が、女性が圧倒的多数を占める非正社員を組合員にしたらどうなるか。何度も目撃していますよ。「労働者の宿命」が違っていて、狙われ奪われるものが異なるから、話が合うわけがないでしょう。

労組には誰よりも期待していますし、今のところ労組に期待するしかありません。しかし、F型を起点にした議論と合意を抜きにした方針や活動に対して、すでにそれに気付いている女性は労組に嫌気しています。労組への期待は減るばかりです。女性が労組に期待するとしたら、労組はどこに危機感を持ち、F型にどう向き合うのか、に注目せざるを得ません。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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