特集2024.04

歴史と運動から学ぶ
労働組合はなぜ必要なのか
労働組合があって良かった
若手組合役員から見た労働組合

2024/04/10
若手組合役員から見た労働組合とはどのような存在なのだろうか。3人に思いを寄稿してもらった。

不満を聞くことにやりがい
問題解決の当事者になれる

浅野 祥/KDDI労働組合

子どものころ、先生や親に褒められたくて勉強やスポーツをがんばった記憶が皆さんにもあるかと思います。誰かに褒められることは大人になってもうれしく、モチベーション向上につながります。

しかし、組合役員として働く上で、最も強く私を駆り立てるのは褒められることではなく、さまざまな不満の声です。(これを言うと気持ち悪がられることが多いのですが)私は不満が大好きで、宝の山だと考えています。

不満がない状態は短期的には安定しており心地がよいものですが、その状態が長く続くと現状維持に走り、結果的に成長や進歩の機を逃してしまうことがあります。一方、不満は問題意識の表れであり、向き合う姿勢とその後の行動次第で改善の糧になり得ます。私はこの過程にとてもポジティブで建設的なエネルギーを感じます。

私が役員をやっていてよかったことは、組合役員はあらゆる不満や問題に真正面からかかわり、問題解決の当事者になれることです。少年漫画の主人公になりたかった私にとってこんなにワクワクできる仕事はほかにないかも、と日々やりがいを感じています。

他組織との交流広がる
立場を超え同じ意識で活動

長谷川 裕/日本コムシス労働組合

組合を通じて、社内はもちろん、他組織の方々と情報交換ができたり、親睦を深めることができることかと思います。

役員になる前は、社内で他部署の方と触れ合うことはほとんどなかったのですが、組合役員になり、36交渉やレクを通じて、役員間はもちろんさまざまな一般組合員の方たちとも交流できました。これまで知らなかった他部署の実情を知れたことは非常に有意義だったと思います。

また情報労連主催のセミナーや、大会等を通じて、同じ通信建設業界のエクシオグループやミライトグループ、NTT・KDDIといった通信事業者の方々とも隔たりなく意見交換できました。

会社単位であれば、同じ業界のライバル会社や、お客さまであった人たちが、「労働組合」という枠組みの中では、どうすれば良い組織を作れるかを、距離感や境界なく同じ意識の下で共有し合えたこと、親睦を深められたことは大きな経験でした。

われわれ役員だけでなく、一般組合員の方々もレク等を通じて、他組織の方々と触れ合っていただきたいと思います。

活動を成し遂げることに達成感
交流機会も格段に向上

西村 美咲/NTT労働組合西日本本部関西総支部

私が労働組合の良さを感じた時は、労働組合役員間のつながりを認識した時です。

役員を務めるまではグループ会社の人とかかわる機会があまりなく、社外の人との交流はほとんどありませんでした。しかし役員を務めてから「労働組合役員」として社外の人とかかわる機会が格段に増え、時には互いに協力して、一つのことを成し遂げる機会も増えました。

写真は、西本部のfrage担当者で協力して開催した「西本部frageラリー」のもようです。初めての経験で戸惑いながらではありましたが、なんとか成し遂げることができ、自分にとって大きな経験となりました。またラリーを成功させることができたのももちろんですが、さまざまな会社で働かれている人たちと一つのことを成し遂げられたことは、たくさんの学びや気づきもあったことから、とても有意義な経験であったと感じています。

今後はグループ内にとどまらず、情報労連傘下の皆さんとかかわれる機会に積極的に参加していきたいです。

※“frage”とは、fresh(新しい、生き生きとした)とage(年代)を掛け合わせた造語で、35歳以下の組合員を指します。

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