特集2024.04

歴史と運動から学ぶ
労働組合はなぜ必要なのか
なぜ労働組合なのか?
米アルファベット労組に聞く

2024/04/10
2021年4月、米グーグルとその持株会社であるアルファベットの従業員が労働組合を結成した。なぜ労働組合という手法を活用することにしたのか。書面でインタビューした。
オリビア・アセモタ Alphabet Workers Union(AWU/アルファベット・ワーカーズ・ユニオン)副委員長/
ソフトウエアエンジニア

──会社を変える手段は、労働組合以外にも方法があります。なぜ労働組合を活用したのですか?

労働組合を組織することは、労働者が労働条件を前向きに構築できる唯一最大の方法です。私たちは労働者として、日々、会社の事業に従事しています、そして業務上で意見を述べることが法律で保護されています。

私たちは組合を通じて、グーグルに長期的に変革する力を持つ労働者の組織を作ることができます。私たちは組織化が労働者に勝利をもたらしてきたことをわかっています。アルファベット社に立ち向かう時に誰一人取り残されないよう、さらに努力していきたいと思います。

──グーグルのようなハイスキル・高収入の労働者にも労働組合が必要なのでしょうか。

すべての労働者が組合を必要としていることが、この数年ほどハッキリしたことはありません。技術者はほぼ隔週に1人のペースで解雇されており、一夜にして数千人もの労働者が職を失うこともあります。

こうした人員削減は必要な経営判断の結果だと言われるものの、アルファベットのような企業は想像を絶するほどの利益を上げ続けています。そして興味深いことに、こうした解雇を余儀なくさせた「悪い」経営判断を行ってきた幹部に対しては、何ら処罰がされていません。

また、解雇された労働者で市場は飽和状態になっているため、労働条件の質の低下は続くでしょう。私たちの仕事がきちんと保護され、賃金や手当をこれ以上低下させないためにも、私たちは組織化を行わなければなりません。

──労働組合という手段にはどのような強みや希望を見ていますか?

AWUの最大の強みは、派遣労働者(Temp)、協力会社(Vendor)、契約社員(Contract)からなるTVCと正規従業員の両方を含むすべての労働者を組織し、歓迎していることです。グーグルのような大企業は会社にとって重要な仕事を下請け業者に任せていますが、これら労働者への賃金は非常に低いです。雇用形態を超えて力を結集することで、すべての労働者が正当な賃金と手当をきちんと受け取れるようになります。

加えて、会社が「アルファベット宮殿」の中に設置した従業員同士を隔てる障壁を取り除くことができるでしょう。私たちは、皆、グーグルの成功に責任を負っています、団結すればさらに強くなれるのです。

AWUは、組織化を通じて、テクノロジー業界が株主のためだけではなく、私たち全員のために機能することを保証できると信じています。私たちはすべての労働者が適正な賃金、手当、雇用保障を得られるようにするために、自分たちの労働条件を形づくることができるのです。私たちは、人間よりも企業利益を優先するのではなく、より良い社会を創造するためのテクノロジーを確かなものにすることができます。

──なぜ、契約・請負労働者の組織化や処遇改善に取り組むのですか?

私たちはすべての労働者が公平な分配を享受する権利があると信じています。しかしながら、アルファベットの成功の多くは契約社員の働きに依存しているとわかっています。グーグルをより良くするためには、すべての労働者、直接雇用された従業員と契約従業員の両方が仕事の上で発言できるようにしなければなりません。

──日本の労働者に向けたメッセージ。

日本の皆さんも組織化に取り組んでいると思いますが、アメリカとカナダに拠点を置くアルファベットに働く私たちも組織化に取り組んでいることを誇りに思います。戦略的な組織化と労働者の連帯があれば、成し遂げられないことはありません。ともに前進していきましょう!

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