特集2016.03

労働時間に上限規制を勤務間インターバル制度を導入したKDDI
働き方の意識改革が進行中!

2016/03/17

情報労連は2009年から、働く人の健康を確保する目的で、「勤務間インターバル制度」の導入を春季生活闘争の方針として掲げている。これまで通建連合の加盟組合などが制度を導入してきた。

「勤務間インターバル制度」の導入を2015春季生活闘争で勝ち取ったKDDI労組の春川徹事務局長は2月2日、情報労連主催の春闘セミナーで制度の導入経緯などを説明した。

KDDIは「勤務間インターバル」として、1.就業規則に規定した組合員のみを対象とした「8時間」の勤務間インターバル、2.安全衛生規定に設定した管理職を含む全社員を対象とした健康管理上の指標とする「11時間」の勤務間インターバル─を設定している。2に関しては、全社員の労働時間を毎月確認し、休息時間が11時間未満となった日が月に11日以上となった社員に、個別に健康指導や産業医面接、必要に応じた業務変更、人事異動などの対応をとる。

制度導入の要求にあたってKDDI労組執行部は、要求の根拠を次のように積み上げた。春川事務局長は、「長時間労働の防止抑制は労使の共通課題になっていた。その中で36協定の順守や事前協議の徹底などの対応には取り組んできた。しかし、それだけでは長時間労働を前提とする対処になっていることに気付いた」と話す。

その上で、「36協定はあくまで例外的な措置。そのことを忘れると時間外労働が当たり前という意識がまん延する。これでは休息時間を確保するという視点に意識が向かず、残業を減らすことはできない。長時間労働の是正という労使共通の課題を解決するためには、休息時間の確保を前提とする意識転換が必要だとする認識に至った」と説明する。

労組の要求に対して会社側は、制度の適用対象者の少なさを理由に、懐疑的な意見を示したが、労組執行部は制度による長時間残業に対する意識転換の必要性を繰り返し主張した。また、組合員からも制度は不要との声はあった。しかし、執行部は休息の重要性やWLBの理解・浸透、働き方改革などのために、休息時間の導入による意識転換が必要であることを説き、制度導入に至った。

制度は15年7月からスタート。この間、組合員の意識改革が徐々に進みつつあると春川事務局長は話す。また、11時間という休息時間を安全衛生規定に設定したことで、その点検を安全衛生委員会の審議事項として扱えるようになり、個人の休息時間を労使が共有し、対策を立てやすくなったという効果も表れている。今後の課題について春川事務局長は、制度の趣旨の理解浸透を図ることや規制のさらなる厳格化などを求めると話している─。

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