特集2019.04

職場の防災・減災を進めよう「政策3本柱」の一つ消防防災「まもる」
災害時の情報伝達のあり方などを問う

2019/04/12
組織内「吉川さおり」参議院議員は、初当選以来、一貫して災害対策特別委員会に所属し、防災対策などに取り組んできた。
吉川 さおり 参議院議員
情報労連組織内議員

初当選以来 災害対策に対応

私、吉川さおりは、12年前の第21回参院選で全国各地の30万6577人もの方に「吉川さおり」と個人名を書いていただき、参議院に議席を預けていただきました。初当選以来、情報通信や消防を所管する総務委員会同様、災害対策特別委員会にも一貫して所属し、国民の生命・身体・財産を守るための議論を積み重ねてまいりました。

12年前の国会では、国・地方ともに財政状況厳しい中、消防防災行政には光が当たりにくく、国会で消防防災の課題を継続的に取り上げる議員もいませんでした。しかしながら、政治は国民の生命を守るためにある、との思いで社会資本整備などのハード事業と、自治体におけるBCP策定などのソフト事業を車の両輪のように進めていく重要性を初当選以来、指摘し続けています。

具体的には、情報伝達のあり方とその手段、避難するために自治体が発する避難勧告のあり方とその訓練、災害心理を考慮する必要性、市町村における防災体制の把握などですが、10年以上継続的に政府の取り組みを確認し続けると、取り組みが進んだ課題とそうでない課題も明確になってきました。

災害時の情報伝達に力点

例えば、現在、統計のあり方が国会で大きな議論になっています。正しい現状把握の先に、対策や政策がありますが、「市町村の防災体制の把握を国として行っているか」との私の問いに「政府としてはやっていない」という答弁が何年も続きました。しかしながら、災害等が発生した場合、住民の皆さまの最も身近なところで対応するのは地方自治体です。私が参議院に議席を預かって以降の各種災害においても、自治体の職員が問い合わせ等の対応に追われて避難勧告発令が遅れたというケースが残念ながらいくつもありました。だからこそ、国として市町村の実態を把握する必要性について、指摘し続けた結果、ようやく政府として把握を行い市町村の防災体制の現状が明らかになったのですが充足しているとは言い難い現状が明らかになりました。

また、市町村防災行政無線の整備状況について市町村合併効果を抜いた、実質の整備率を把握することが必要だと指摘し、旧市町村単位に置き換えた実質の整備率を定期的に確認し続けてきましたが、その整備はまだ道半ばです。さらには、防災行政無線は整備されても、実際に何かあったときに非常用電源がなければ意味を成しません。通信インフラにおいても同様ですが、政府は非常用電源の整備状況について把握していませんでしたので、把握するよう指摘した結果、これに関しては、質疑の2カ月後には緊急の全国調査につながりました。その翌年からは、業務継続性確保のため非常用電源に関する調査を継続的に行うようにもなっています。

例示した市町村の防災体制と防災行政無線の実質の整備率だけでも答弁が得られるまでに相当の時間を要しました。おそらく、国民にとって好ましい数値ではなかったからだと思いますが、現状を把握しなければ、その先の対応もありません。

政策3本柱の一つ「まもる」

他にも指摘し続けて調査が始まったこと、取り組みが進んだことはありますが、まだまだ取り上げてその経過を確認し続ける必要がある防災行政の課題はたくさんあります。私、吉川さおりは、政策の3本柱の一つとして、消防防災「まもる」を掲げ、国民の生命、身体、財産を守るための取り組みをこれからも進めてまいります。

災害対策特別委員会で質問に立つ吉川さおり議員(2018年11月)
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