特集2019.06

女性と労働組合地方連合会 初の女性会長にインタビュー
「女性の組合役員を増やしたい」

2019/06/10
2017年、地方連合会で初となる女性会長が連合宮崎と連合奈良で誕生した。連合宮崎の中川会長に自身の経験や労働組合運動に対する思いを聞いた。
中川 育江 連合宮崎会長
なかがわ いくえ 1977年、旭化成に入社。1992年、旭化成長浜労働組合専従書記に。1993年、連合宮崎女性委員会に副委員長として参画。2002年、連合宮崎副事務局長に就任。2013年連合宮崎事務局長を経て、2017年、連合宮崎会長に就任。

連合運動で学んだこと

連合の運動に初めて参加したのは1993年、連合宮崎の女性委員会。当時、男女雇用機会均等法の改正が検討されていて、女性の深夜業規制を撤廃すべきかなどを各産別の女性たちと積極的に議論していたことが印象に残っています。

2002年11月に連合宮崎の副事務局長に就任しました。連合宮崎なんでも労働相談ダイヤルでは、有給休暇を10年間一度も取得したことがない、経営が厳しいという理由で給与が支払われない─といった労働組合のない職場の厳しい労働条件や環境を知りました。労働組合に加入した相談者や連合宮崎の仲間とともに粘り強く交渉してきました。

一人の組合役員として

連合宮崎副事務局長に就任した2002年、47地方連合会の女性副事務局長は、私で3人目、九州で女性専従副事務局長は初でした。

私自身は、「女性役員だから」という意識より、一人の専従役員として活動してきました。その気持ちは、事務局長や会長になってからも同じです。

会長になったことで労働組合の職場での役割、社会的な存在をより一層実感しています。連合は、働くことを軸とする安心社会の実現に向けて、労働運動を展開しています。

初の女性会長ということで、宮崎県内の女性団体の皆さんとのネットワークも広がっています。連合運動のアピールになればとの思いから、取材等は積極的に受けています。

女性の組合役員を増やしたい

「女性の組合役員を増やしたい!」といろいろな方々に声を掛けてきました。「労働組合役員になると、休日や夕方の活動が大変で、ワーク・ライフ・バランスが取れないと思う。子育て中や、介護をしながらでは役員は無理」と断念されることもありました。「労働組合役員になるとハードで大変だ」というイメージがあるのだと思います。

労働組合役員を経験した女性の皆さんは、「すべての活動が自分のためになった、役員をして本当に良かった」と話されます。たくさんの方々との出会いがあり、幅広いつながり、話を聞くことや、みなさんをまとめるマネジメントの力を身に付けることができます。労働組合も会議の時間帯、活動内容を工夫するなど、変わってきました。組合役員の誘いがありましたら、ぜひ、やってほしいと思います。

みんなで楽しく運動をつくる

労働条件を向上すること、職場で悩んでいることや困っていることを改善していくことなど、労働組合は大事な役割を担っています。組合役員、組合員の方々が育児、介護を担いながら、組合活動ができる「組合環境整備」もこれからさらに大事になってきます。組合役員から組合員、組合員から組合役員へのコミュニケーション、チームワークが大切だと思います。

労働組合は「愛」だと思っています。みなさんとめぐり会い(愛)、一緒に悩み語り、考え、笑い、「労働組合いいね!」と感じられる明るく楽しい運動をつくっていきたいと思っています。

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