ビストロパパレシピ2022.12
大根七変化
使い切る楽しさ大根と鶏の煮物
2022/12/14
料理初心者だったころ、食材をよく余らせた。その都度、作りたい料理をレシピ通り作るために、新しく買い物をしていたからだ。
家庭料理で大事なことは、在庫をうまくやりくりして、作り続けること。たまにしか料理をせず、自分が食べたい料理を作る専門の人が買い物して作ると、野菜が余りがちだ。
使い切れる野菜といえば「大根」だ。それも、葉つきがいい。葉が青くて長ければ大根も新鮮な証拠。数日たつと、葉はすぐに先から黄色くなる。そのたびにカットされて短くなる。葉には栄養が豊富で、さまざまな料理に使える。例えば、刻んだ葉をごま油で炒めて醤油で味付けするだけで、大根の葉炒めができる。常備菜として重宝する。みそ汁の具にもいいし、ゆでておひたしにしてもいい。
根の部分は、場所によっておすすめの料理が変わってくる。葉に近い上部は、水分が多く甘い。生で食べるといい。千切りにして、大根サラダにしてみよう。お正月に欠かせない、紅白なますは上部を使うのがいい。真ん中の部分は、おでんなど煮物に最適。しっかり味を染み込ませるために下ゆでは欠かせない。このひと手間で、翌日になると味が染み込んだおいしい大根になる。
下の根の部分は水分が少なく辛い部位。大根おろしやぬか漬けなどに活用してほしい。
野菜全般に言えるが、皮や皮の裏側に栄養が含まれている。しっかり洗って、丸ごと食べる。皮をむかないことで、時短になり、栄養もとれ、ゴミも出ない。さらに、根と茎の部分もたわしでしっかり洗って刻んで炒めれば食べられる。葉の先から根、そして皮まで、捨てる場所ゼロの、完全使い切り食材が大根なのだ。大根づくしな料理を作って、健康に年を越してほしい。
調理時間
40分
材料(3〜4人分)
- 大根(600g程度)
- 厚揚げ(1丁)
- 鶏むね肉(1枚)*300g程度
- 小ねぎ(2本)*小口切り
- A
- 水(800ml)
- だし昆布(1枚)
- かつお節(少々)
- みりん(大さじ4)
- てんさい糖(大さじ4)
- 酒(大さじ4)
- ゆずの皮(少々)*なければ、しょうが千切り1かけがおススメ!
- B
- しょうゆ(大さじ5)
- 塩(小さじ1/2)
作り方
- 大根を1.5センチの輪切りにし、片面に隠し包丁を入れて半分に切り下ゆで。厚揚げは小さく切る。鶏むね肉は2〜3センチに切る。
- 鍋に、Aと大根、厚揚げ、鶏肉を入れて蓋をして火にかける。沸騰したら蓋をとりBを加えて落とし蓋をして煮込んで、味が染みたらでき上がり。小ねぎを振りかける。
アト辛おとな味:七味
子手伝い:小ねぎかける
子手伝い:小ねぎかける
- ビストロパパのワンポイント・アドバイス
- 葉つきの大根を1本買ってみよう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる)
パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。令和6年度消費者支援功労者表彰ベスト消費者パートナー章受賞。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。