ビストロパパレシピ2024.10
見切り品刺し身を
ぜいたくに楽しむ
「漬け」のすすめカツオの漬け丼
2024/10/11
スーパーで買い物をしていると、目に入るのが「見切り品」だ。消費期限が近いために値下げされた商品で、これを上手に活用すれば家計にも地球にも優しい選択ができる。特に刺し身の見切り品には弱く、ついつい手に取ってしまう。そろそろ値引きシールが貼られそうな時間帯になり店員さんが準備を始めると急に人が集まりだす。お目当ての刺し身にシールが貼られるのを待つのも手だ。
この季節にはカツオがよく並んでいる。大好きな魚であり、旬の時季には大きな柵が手頃な価格で売られている。それが見切り品になったら買うしかない。
見切り品の刺し身をおいしく食べるなら、おすすめなのが「漬け」だ。しょうゆ、みりん、酒で簡単に作れるタレに刺し身を漬けるだけで、驚くほどおいしくなる。漬けにすることで、魚の風味が引き立ち、少し乾いた刺し身でも柔らかさとうまみが蘇る。
大きなカツオの柵を見切り品で手に入れた日、早速漬けにしてみた。ごはんの上に大葉をのせて漬けたカツオをぜいたくに盛り付ける。カツオがキラキラと光っている。漬けにすることで刺し身の自然な脂とタレが絶妙に絡み合い、深いコクとうまみが生まれた。ごはんの上に載せただけで立派な漬け丼が完成し、その風味に家族も喜んでいた。
翌朝、漬けにしたカツオを少し残しておいて朝ごはんにいただいたが、なんともぜいたくな気分を味わえた。
見切り品だからといって、味を妥協する必要はない。むしろ漬けにすることで、食材本来のおいしさを引き出し、翌日の食卓を豊かにしてくれる。漬けはカツオ以外の魚でもおいしく仕上がる。食品ロス削減にも貢献できるので、見切り品の刺し身を見つけたら、ぜひ「漬け」にして楽しんでほしい。
調理時間
15分
材料(3人分)
- カツオ(1柵)
- 大葉(6枚ぐらい)
- A
- みりん(大さじ1)
- 酒(大さじ1)
- しょうゆ(大さじ2)
- ごま油(小さじ1)
- ごはん(適量)
- すりごま(少々)
作り方
- カツオを切り身にする。
- 鍋にAを入れて火にかけてひと煮立ちさせてバットに入れる。しょうゆとごま油を入れて混ぜて少し冷ます。
- バットにカツオを入れてあえ、ラップをして冷蔵庫で冷やす。
- 茶わんにごはんを盛り付け大葉を敷き詰めたら3の漬けにしたカツオを並べてすりごまをかける。
アト辛おとな味:わさび 生とうがらし
子手伝い:盛り付ける
子手伝い:盛り付ける
- ビストロパパのワンポイント・アドバイス
- 食品ロスを減らしつつ、料理の工夫でおいしく食べよう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる)
パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。令和6年度消費者支援功労者表彰ベスト消費者パートナー章受賞。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。