特集2024.05

つながりを生むレク・文化活動を考える
労働組合「レク」図鑑!
「労働組合と組合員をつなぐ場所」
オンラインツール「TUNAG」の活用法

2024/05/14
労働組合と組合員、組合員同士をつなぐためにオンラインツールの活用が欠かせなくなっている。そこで情報労連が導入したのが「TUNAG for UNION」だ。その特長と運用のポイントを、サービスを提供する株式会社スタメンの天野絵里佳さんに聞いた。

「TUNAG」の機能と特長

「TUNAG(ツナグ)」はもともと従業員のエンゲージメント向上を狙ってサービスを開始したオンラインプラットフォームです。新型コロナウイルスの感染拡大で対面の組合活動が難しくなる中、オンラインで活動できるツールを探していた労働組合の皆さんとつながり、多くの組合で「TUNAG」を利用してもらうようになりました。

労働組合版の「TUNAG for UNION」では、「労働組合と組合員をつなぐ場所」というコンセプトを掲げ、労働組合の執行部と組合員、組合員同士をつなぐことをめざしてサービス展開しています。2022年1月リリース以降、約2年間で140以上の労働組合さまにお使いいただいております。

「TUNAG for UNION」の特長は、労働組合の皆さんに特化した担当者がつき、導入から登録促進、定着率向上まで一気通貫で運用を支援することです。労働組合専門の担当者がいることから、労働組合の運動を理解し、他労組での活用事例なども提供できることが類似のサービスにない強みです。

「TUNAG」では、これまで行ってきた情報発信や申請手続きなどの組合活動を「TUNAG」内で完結できます。ニュースの発信はもちろん、書類の提出、アンケートや投票などの業務もすべて集約できます。組合員からすれば「TUNAG」を見れば組合活動のことがわかるのがメリットです。

「TUNAG」では、コンテンツごとの既読状況がわかることから組合員の反応がわかります。そのため組合員の反応を見ながらPDCAサイクルを回すことができます。

また、「TUNAG」の特長は、組合員同士の交流を促せることです。閲覧範囲をコントロールすることで、サイト内でグループを設定し、組合員同士でサークル活動を行うこともできます。このような機能を通じて労働組合と組合員、組合員同士をつなぐことをサポートしています。

定着のポイントは?

「TUNAG」を定着させるポイントの一つは、一人でやろうとしないことです。担当者一人ですべての情報を発信するのは難しいので、周りの人を巻き込んで情報発信をしてもらうと、その人からまた別の人につながって情報の輪が広がっていきます。利用者が少しずつ増えると「あの投稿見たよ」という会話が広がり、担当者のやる気にもつながります。

企業であれば業務の一環として「TUNAG」を活用すれば(例えば日報の投稿)、閲覧や投稿を習慣化しやすいですが、労働組合はそうはいきません。まずは「TUNAG」を見れば組合のことがわかるという風に情報を一元化して組合活動に関心を持ってもらうことが大切です。例えば春闘の情報を「TUNAG」を活用して発信している組合もあります。どのようにすれば関心が高まるのか、私たちも一緒に考えていきます。

労働組合同士のつながりもサポート

今後は「TUNAG」を通じた労働組合同士の交流も増やしていきたいと考えています。技術革新などを背景に業種・業態の境目が曖昧になる中で、産業の枠を超えた組合同士のつながりを支援し、情報交換をサポートしたいと考えています。2024年1月には「UNIONS’」というオンラインコミュニティーも立ち上げました。

オンライン上で生まれるつながりは、労働組合がこれまで大切にしてきた強いつながりとは違うかもしれません。それでも「TUNAG」を見ると「ここに仲間がいるんだな」ということがわかります。オンラインを活用すれば組合員の働き方やライフスタイルが多様化する中で参加の幅が広がります。従来のつながり方を否定するのではなく、それと融合することによって、労働組合のより良い未来に貢献できると信じています。

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